在宅ワーク(在宅勤務)の仕事とは?職種やメリット・ポイントを解説

在宅ワーク(在宅勤務)の仕事とは?職種やメリット・ポイントを解説

近年では、オフィスで働くのではなく自宅で働く「在宅ワーク」を選ぶ人が増えてきました。在宅ワークは自分のペースで仕事ができる働き方ですが、デメリットも存在します。

本記事では、在宅ワークの概要や職種とともにメリット・デメリットや、デメリットを解消するためのポイントについて解説します。

在宅ワークとは?

在宅ワークとは、主にパソコンを利用して自宅で仕事をすることです。業務内容には、単純作業から専門的なスキルを要するものまでさまざまです。在宅ワークは大きく2つに分類され、それぞれで特徴が異なります。ここでは、在宅ワークの種類やテレワークとの違い、給与形態ごとの勤務体系について解説します。

雇用型と自営型

在宅ワークには大きく分けて雇用型と自営型の2種類があります。
 

在宅ワークの種類

特徴

雇用型

・企業と雇用契約を締結し、在宅で働く
・完全在宅と部分在宅が存在する
  完全在宅:原則、オフィスへの出社が求められない
  部分在宅:週に数回の出社が求められる

自営型

・個人事業主や小規模事業者として働く
・企業からの業務委託や、サービスや商品を販売して働く
・勤務時間や業務量は自分で決める

テレワーク(リモートワーク)と在宅ワークの違い

在宅ワークと似た用語に、テレワーク(リモートワーク)があります。どちらもオフィスから離れた場所で仕事をする働き方です。テレワークは雇用型が前提となる働き方で、厚生労働省によると、働く場所によって以下の3つに分類されています。
 

種類

概要

在宅勤務(在宅ワーク)

オフィスに出社せず、自宅を就業場所とする働き方

サテライトオフィス勤務

オフィスとは別の場所に設置したワークスペースを就業場所とする働き方

モバイル勤務

移動中の交通機関や顧客先、カフェ、ホテルなどを就業場所とする働き方

在宅ワークは自宅のみが働く場所なのに対し、テレワークは自宅以外の場所も働く場所になっています。

参考:厚生労働省「テレワークとは

給与形態ごとの勤務体系

在宅ワークの給与形態ごとの勤務体系は以下のとおりです。

給与形態

勤務体系例

時給制

派遣社員・パート・アルバイト

月給制

正社員・契約社員

成果報酬型

個人事業主・小規模事業者

 

時給制の場合、企業と雇用契約を締結したうえで働くため、安定した収入を得られます。シフトを自分で選択できるところもあるため、時間にも融通が利く働き方です。

月給制も、企業と雇用契約を締結したうえで働く在宅ワークです。ただし、月給制の場合は勤務時間も決まっており、企業によってはビデオ会議ツールで勤務状態を確認できる環境を義務付けられているところも存在します。

成果報酬型は、業務の成果のみが収入となる在宅ワークです。企業から業務委託を受けた成果物に対する報酬や、顧客に購入してもらったサービスや商品が収入源になります。成果報酬型は決まった給与がないため、収入は安定しないものの、頑張り次第で多くの収入を得られます。

在宅ワークができる職種例①

在宅ワーク(在宅勤務)の仕事とは?職種やメリット・ポイントを解説_2

在宅ワークができる職種には、事務職やシステムエンジニアなど、さまざまなものが存在します。ここでは、在宅ワークができる職種ごとの業務内容や必要なスキルについて解説します。

事務職

一般事務や経理事務などの事務職の仕事には、WordやExcelを使用した資料作成のほか、データ入力の仕事が存在します。パソコンがあれば仕事ができるため、在宅ワークが可能です。

データ入力であれば、特別なスキルが求められないため、派遣やアルバイトの募集が多くあります。そのため、家事や育児などの隙間時間で働きたい人や、副業として収入を得たい人におすすめです。

スタッフサービスの在宅ワークが可能な事務職の求人一覧
https://www.staffservice.co.jp/job/list/t/c/g/d/O01-O03/39/p/f/

電話業務

テレフォンオペレーターやテレフォンアポイントメントなどの電話業務も在宅ワークができる職種です。自宅で顧客からの電話応対をおこないます。シフト勤務のものが多いため、ライフスタイルに合わせて働けるでしょう。

カスタマーサポートやヘルプデスクでは専門的な知識が求められる場合があるものの、多くの場合は研修制度があるため、未経験からでも働けます。

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チャットオペレーター

チャットオペレーターは、メールやチャットでコミュニケーションをとりながら顧客の悩みや問題を解決する職種です。対面せずに顧客対応ができるため、在宅ワークの求人も多く存在します。電話業務と同様に専門的な知識が求められる場合があるものの、情報を資料で確認してから返信できるため、未経験からでも働きやすい仕事です。

翻訳/通訳

翻訳の仕事も、在宅ワーク可能な職種です。翻訳元となるデータから外国語を日本語に訳したり、日本語を外国語に翻訳するほか、翻訳後の文章をチェックする仕事もあります。翻訳対象は、書籍やメール、商品カタログ、字幕などさまざまです。翻訳する言語の対象は英語が多いものの、他に対応できる人が少ない言語に対応できれば、より重宝されるでしょう。

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システムエンジニア

システムエンジニアは、ITシステムやソフトウェアの開発プロセスにおける上流工程領域を担当する職種です。顧客との打合せで出社が求められるケースがあるものの、基本的にはパソコンを使った業務になるため、在宅ワークが可能です。

システム開発における専門的な知識や開発チームをまとめるマネジメント能力が求められます。

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在宅ワークができる職種例②

プログラマー

プログラマーは、ITシステムやソフトウェアの開発プロセスにおける下流工程領域を担当する職種です。システムエンジニアが作成した仕様書に基づいてプログラミングコードを書いていきます。

顧客との打合せに参加する機会も少ないため、システムエンジニアよりも在宅で働きやすい仕事です。さまざまなプログラム言語に対する知識が求められます。

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Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトの構成デザインや画面仕様の設計、バナー作成を担当する職種です。システムエンジニアと同様に、顧客との打合せで出社が求められるケースがあるものの基本的にはパソコンを使った仕事です。デザインやサイト設計に関する知識のほか、illustratorやPhotoshop、Premiere Proなどのソフトを扱えるスキルが求められます。

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https://www.staffservice.co.jp/webdesigner/zaitaku/

Webライター

Webライターは主にWeb媒体に掲載される記事を執筆する職種です。セールス用の文章や企業のコラム、取材など、さまざまな種類が存在します。取材先に伺う場合もあるものの、Web上にある情報を基に執筆する仕事もあるため、在宅ワークが可能です。

文章能力のほか、統計や調査結果などの情報を探す調査能力が求められるものの、比較的未経験からでも始めやすい仕事です。
 

Webマーケティング

Webマーケティングは、Web上での営業活動を促進する仕事です。プラットフォームやツールを活用してデータ分析や改善をおこないます。Web上で完結する業務が多いため、在宅ワークが可能です。ただし、システムエンジニアと同様に、顧客との打合せで出社が求められるケースがあります。マーケティングやWebに関する知識、データ分析能力が求められます。

オンライン講師

オンライン講師は、オンラインで勉強やスキルを教える仕事です。パソコンやインターネット環境、Webカメラがあれば実施できるため、在宅ワークが可能です。コロナ禍をきっかけに、離れた人に向けて講座を開催する手段として広がり始めました。

学生への学習指導や英会話教室のほか、ヨガや料理教室など、さまざまなジャンルが存在します。オンライン講座を開催するうえでの資格は必要ないため、教えるジャンルの知識があれば開催できます。

在宅ワークのメリット・魅力

在宅ワークのメリットや魅力として、以下の3つが挙げられます。

●    通勤する必要がない
●    自分のペースで仕事をしやすい
●    人間関係のストレスが少ない

ここでは、それぞれのメリットや魅力について解説します。

通勤する必要がない

在宅ワークは自宅が働く場所になるため、通勤する必要がありません。通勤時間に往復で2時間かかっている場合と比較すれば、月に20日勤務と考えると40時間も可処分時間が増えます。

在宅ワークであれば、これまで通勤にかかっていた時間を、家事やスキルアップの勉強など、有意義な時間に使えるでしょう。また、通勤にはストレスを感じるものです。株式会社ザイマックス総研の調査によると、働いている人の60%以上が通勤をストレスに感じていることがわかりました。

ストレスの原因が1つなくなることも、在宅ワークのメリットといえるでしょう。

参考:株式会社ザイマックス総研「通勤ストレスがワーカーの満足度に与える影響

自分のペースで仕事をしやすい

オフィスで仕事をしている場合、周囲の声や状況が気になったり話しかけられたりして、自分のペースで仕事が進められないケースがあるでしょう。在宅ワークであれば、基本的に周囲に人がいないため、自分のペースで仕事を進められます。自分のペースで仕事を進められるのであれば、生産性向上にもつながるでしょう。

また、育児中の子どもがいる場合、学校や預け先からの連絡にもすぐに対応できます。家族の状況を観ながら自分のペースで働けることは在宅ワークならではのメリットです。

人間関係のストレスが少ない

人間関係のストレスが少ないことも、在宅ワークのメリットです。オフィスで働いていると、周囲との関係性を気にして雑談をしたり話を合わせたりするケースもあるでしょう。

在宅ワークであれば、基本的にコミュニケーションをとるのがメールやチャットツールなどのテキストになるため、周囲との関係性を気にする必要がありません。コミュニケーションの頻度自体がオフィス勤務時よりも少なくなるため、人間関係にストレスを感じやすい人にとっては、在宅ワークは大きなメリットになるでしょう。

在宅ワークのデメリット・注意点

在宅ワークのデメリットや注意点として挙げられるのは、以下の3つです。

●    コミュニケーションが難しい
●    業務管理能力が必要
●    自宅でプライベートとの切り替えが必要
●    働き方をよく検討する

ここでは、それぞれのデメリットや注意点について解説します。

コミュニケーションが難しい

前述したように、在宅ワークはオフィス勤務と比べてコミュニケーションの頻度が少なくなります。テキストコミュニケーションが基本となるため、自分の業務に集中できる反面、周囲の状況把握できません。

対面であれば近くの人に相談すれば解決した問題も、メッセージを送ったり自分で調べたりしなければならないケースもあります。認識齟齬が発生するケースもあり、テキストコミュニケーションが苦手な人にとっては、仕事が進めにくいと感じるでしょう。

また、周囲に人がいない状況で仕事をするため、孤独を感じやすくなります。周囲に相談できる人がいなければ仕事がスムーズに進められない人にとってはデメリットに感じるでしょう。

業務管理能力が必要

在宅ワークでは、周囲から観られることがない反面、オフィス勤務のとき以上に業務管理能力が求められます。雇用型であれば、管理者から定期的に進捗状況を確認されることが多いものの、自営型の場合、業務管理をするのは自分だけです。

自営型は勤務時間も自分で決める必要があります。そのため、自分で作業スケジュールを立てておかなければ、納期間際になって慌てて作業をする必要がでてきたり、だらだらと仕事をしてしまい仕事時間が長くなってしまったりするケースが考えられます。

スケジュールを立てることが苦手な人や、自己管理能力が低い人は注意が必要です。

自宅でプライベートとの切り替えが必要

在宅ワークは仕事をする場所が自宅になるため、仕事とプライベートとの時間の区切りがしづらくなります。オフィス勤務の場合、出社することにより気持ちが切り替えられますが、自宅で仕事をするとなると気持ちの切り替えができず、集中できない人もいます。プライベートとの切り替えが苦手な人にとっては、在宅ワークの環境は難しいものといえるでしょう。

働き方をよく検討する

在宅ワークは、働き方にも注意が必要です。前述したように、在宅ワークはプライベートとの切り替えが難しい働き方です。特に自営型の場合、いつでも仕事ができるため、休日やプライベートの時間でも仕事のことを考えてしまう人もいます。長時間働いた結果、体調を崩しては意味がありません。自分に適した働き方を検討することが大切です。

在宅ワークのポイント

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前述したように、在宅ワークは自分のペースで仕事ができることや、人間関係のストレスがないなどのメリットがある半面、人によってはデメリットと感じる場合があります。ここでは、デメリットを解消するためのポイントについて解説します。

家の中で働く環境を整えておく

在宅ワークのデメリットに、プライベートとの切り替えが難しいことが挙げられます。プライベートとの切り替えをするためには、家の中で働く環境を整えておくことがポイントです。

在宅ワークをしやすい環境を整える方法として挙げられるのは、以下のとおりです。

●    仕事用の部屋やスペースを設ける
●    仕事時は服装を変える
●    家族の協力や理解を得る

在宅ワークはパソコンがあれば進められるものが多く、リビングで仕事をする人もいます。しかし、リビングで仕事をすると家族がいて集中できないケースがあります。そのため、仕事用の部屋を作ったり、部屋の中に区切りとなるものを設置したりなど、仕事のスペースを設置するとよいでしょう。

集中力を上げる方法として、仕事をするときは仕事用の服に着替えることもおすすめです。仕事用の服に着替えることにより、気持ちが仕事モードに切り替わるでしょう。

また、在宅ワークでは家族の近くで仕事をすることもあるため、事前に仕事に集中する環境を整えたいことを説明し、理解や協力を得ることも大切です。

コミュニケーションは細やかにおこなう

在宅ワークは、テキストコミュニケーションが基本となるため、周囲の状況や反応がわかりにくくなります。そのため、オフィス勤務のとき以上に、報告・連絡・相談を意識することがポイントです。

1つの作業ごとに報告をしたり、1日の中でも進捗報告の機会を数回設けたりするなど、コミュニケーションの機会を増やしましょう。短い時間でもチームでオンラインミーティングを開催すれば、孤独感や認識齟齬も解消されます。

スケジュール管理をできる体制を作る

在宅ワークは、オフィス勤務のとき以上に業務管理能力が求められます。そのため、自分でスケジュール管理をできる体制を作ることが大切です。納期から逆算した作業スケジュールを立てるとよいでしょう。

スケジュール管理をするには、スケジュール管理ツールを活用するほか、Excelで進捗管理表を作成したり、手帳で管理したりする方法があります。人によって適した管理方法は異なるため、自分に合った管理方法を模索しましょう。

健康管理に気をつける

在宅ワークはプライベートとの切り替えが難しいため、長時間働いてしまうケースがあります。体調不良になってしまうこともあるでしょう。雇用型の場合、体調不良になってもチームで助け合えますが、自営型では自分のことを助けてくれる人はいません。

そのため、健康管理にも気を遣い、体調を崩さないことが大切です。定期的に休憩時間を設けたり、休日を設定したりすることがポイントです。また、在宅ワークは通勤する必要がない反面、運動不足になる傾向があります。

散歩やジョギング、筋トレなど、定期的に運動の機会を設けて体調を管理しましょう。

まとめ

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在宅ワークは、事務職やシステムエンジニア、オンライン講師など、さまざまな仕事が存在します。在宅ワークは「自分のペースで仕事ができる」「人間関係のストレスがない」などのメリットがある半面、コミュニケーションの難しさや自己管理が必要などのデメリットがあります。

ただし、在宅ワークは環境さえ整えれば、ワークライフバランスを確保したうえで生産性も向上できる働き方です。本記事を参考に、自分に適した環境や管理方法を見つけましょう。

ライター:田仲ダイ
エンジニアリング会社でマネジメントや人事、採用といった経験を積んだのち、フリーランスのライターとして活動開始。現在はビジネスやメンタルヘルスの分野を中心に、幅広いジャンルで執筆を手掛けている。

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