40代派遣スタッフの働き方
就労数全体が年々増加している派遣スタッフ。特に40代以上の派遣スタッフが増加傾向にあることをご存じですか? 国が実施している『労働力調査』(※)でも、年齢別実数を見ると、35~44歳の派遣労働者数が一番多く、次に45~54歳が多くなっています。また今後も「ワーク・ライフ・バランス」を重視したい40代以上の方に派遣の働き方が支持されていることや、さまざまな経験で培ったスキルや高いコミュニケーション能力を求める派遣先企業からの信頼が厚いことなどから、これからも40代以上の派遣スタッフは増えていくことが予想されています。
40代で充実したお仕事に取り組む派遣スタッフの働き方をご紹介します!
目次
派遣に年齢制限はあるの?
「派遣スタッフは年齢で契約が更新されないことがある?」と疑問に感じる方もいるでしょう。しかし、そのような心配はいりません。
そもそも年齢を制限した派遣スタッフの募集・採用は、法令に違反します(労働者派遣事業関係業務取扱要領 21:性・障害の有無・年齢による差別的な取り扱いの禁止等)。
「40歳になったら契約終了」といった発言はもちろん法令違反です。
40代派遣スタッフの就業事情
次に、厚生労働省が毎年調査している「労働力調査」から、具体的にどれくらいの人が派遣スタッフとして働いているのか、年代別にご紹介します。
【労働者派遣事業所の派遣社員の2022年実数と、前年度からの増減】
総数:149万人(+8万人)
15~24歳:10万人(+1万人)
25~34歳:31万人(+1万人)
35~44歳:32万人(+1万人)
45~54歳:40万人(+2万人)
55~64歳:19万人(+2万人)
65歳以上:16万人(±0)
このデータから、もっとも派遣スタッフが多い年代は「45~54歳」ということ、「25~34歳」よりも「35~44歳」の方が派遣スタッフとして働く人の数が多いということがわかります。
「派遣スタッフとして、働けるのはいつまでなのだろう?」と心配して悩むよりも、実際に派遣会社の研修やお仕事を通じて、40代、50代の先輩派遣スタッフのお仕事ぶりを目にしてみてはいかがでしょうか。
【引用】労働力調査
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf
40代が「派遣」を選択する理由
先ほどご紹介した「労働力調査」には、「非正規の職員・従業員になった主な理由」という調査項目もあります(※派遣スタッフだけではなく、パート・アルバイトや契約社員などの雇用形態の方の声も含まれています)。
その結果を以下にご紹介しましょう。
自分の都合のよい時間に働きたいから……33.5%
家計の補助・学費等を得たいから……19.2%
家事・育児・介護等と両立しやすいから……10.9%
通勤時間が短いから……4.7%
専門的な技能等をいかせるから……8.1%
正規の職員・従業員の仕事がないから……10.3%
その他……13.3%
このように、7割以上の方が「ワーク・ライフ・バランス」を重視して非正規のお仕事を選んでいることがわかります。
特に、40代は子育てや介護などが重なることもある時期。フルタイム勤務以外にも、週休3日、週休4日制や時短勤務など、働き方の選択肢が比較的豊富なため、40代以降の方に「派遣」を選択する人が多いのです。
40代派遣スタッフのスキルアップについて
派遣スタッフとして働くことによって、さまざまな職場で実務経験を積むことができます。その中であなたの能力を最大限発揮できたお仕事、それがあなたの得意分野になるでしょう。得意分野にさらに磨きをかけると、「コアスキル」に変わっていきます。
「私のコアスキルは○○で、このような実務経験を積んできました」と、コアスキルを武器にして働いていくのが、第一線で働く40代派遣スタッフに多く見られる傾向です。
20代、30代のうちから、自分が40代になったときにどんなお仕事ができるのか、意識して働きましょう。派遣スタッフは仕事内容が決められているケースが多いです。そのため最初はこなすだけで精いっぱいだったお仕事でも、徐々に余裕が出てくるはずです。仕事のスピードや効率的を上げられないかチェックするなど、同じ内容のお仕事でもブラッシュアップを図ることで、スキルはさらに磨かれます。
また心と時間に余裕ができたら、関連資格を取得するのもよいでしょう。資格を取得することは、自身のスキルを証明するための有効な手段のひとつです。しかしどんな資格でも、実務が伴っていないとなかなか武器にはなりえません。コアスキルを持ち、それに関する資格を取得していくことでさらに大きな武器となります。
例えば経理事務が得意なら「日商簿記検定」。パソコンを使ったお仕事が得意なら「Microsoft Office Specialist」や「ITパスポート試験」など。英語を使ったお仕事をしたい人であれば「TOEIC Listening & Reading Test」の点数アップなどが定番の資格です。
【まとめ】さまざまな働き方を叶えられるからこそ、40代の派遣スタッフは増加傾向!
子育てのため一度仕事を離れた方、正社員を続けてきたもののワーク・ライフ・バランスを求めている方、専門的な仕事を続けたい方など、さまざまな人の働き方の希望をかなえられるのが派遣のメリットです。
その選択肢の多さは多種多様なキャリアパスがある40代以上の方に支持され、お仕事経験やスキルだけでなく高いヒューマンスキルを評価する企業が増えていることなどの要因から、40代の派遣スタッフが増加しています。
- ライター:沼田絵美
- 求人広告代理店で法人営業経験後、出産で退職。現在はフリーランスライター&キャリアコンサルタント&5店舗のサービス業経営者の妻、3足の草鞋を履いて仕事中の個人事業主。