エンジニア派遣とは?派遣会社からエンジニアで働く方法やメリットを解説

エンジニア派遣とは?派遣会社からエンジニアで働く方法やメリットを解説

エンジニアの働き方の選択肢のひとつに、人材派遣があります。IT業界では人材不足が問題視されており、エンジニアも例外ではありません。人材不足対策として、派遣エンジニアを活用する企業も出てきました。

本記事では、派遣エンジニアの概要やメリット・デメリット、派遣会社からエンジニアとして働く方法とともに、派遣エンジニアに向いている人の特徴について解説します。

派遣エンジニアとは

派遣エンジニアとは、人材派遣会社に登録または人材派遣会社と雇用契約を締結し、派遣先企業でエンジニアとして働く派遣スタッフのことです。エンジニアの定義は広く、ITや機械、電気、化学などさまざまな分野の技術者を指しています。

なかでも近年では、ITの進歩によりITエンジニアが注目を集めています。本記事では、ITエンジニアをピックアップして解説します。

ITエンジニアの主な種類

ITエンジニアは企業のシステム開発や保守といったITに関する業務を担当します。そのため、ITエンジニアの中にもさまざまな種類が存在します。主なITエンジニアの種類として挙げられるのは、以下のとおりです。

 

ITエンジニアの種類

概要

システムエンジニア

・システムの設計や要件定義、仕様決めを担当する
・顧客とのコミュニケーションが欠かせない

インフラエンジニア

・システムが動く環境の構築や管理を担当する
・ネットワークを担当するネットワークエンジニアとサーバーを担当するサーバーエンジニアに分けられる
・セキュリティ面のスキルも求められる

フロントエンドエンジニア

・システムの中でも、UIやUXなどのユーザーが操作する部分の開発を担当する
・デザインの知識も求められる

サポートエンジニア

・問い合わせやトラブル対応などの、ユーザーに対するサポートを担当する

日本におけるエンジニアの状況

日本ではIoTやAI、ビッグデータの活用など、IT人材の需要は高まってきました。しかし、経済産業省の調査によると、IT人材の需要と供給にはギャップがあり、2030年には最大約79万人もの人材が不足すると予測されています。

人材が不足している状況は、売り手市場を引き起こします。そのため、企業がIT人材を獲得することは、簡単ではありません。人材を確保する手段として、派遣のITエンジニアを活用する動きが出てきました。

参考:経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)
参考:経済産業省「参考資料(IT人材育成の状況等について)

派遣エンジニアの雇用形態

派遣エンジニアの人材派遣には、大きく分けて登録型派遣と常用型派遣の2種類が存在します。


 

雇用形態

概要

登録型派遣
(有期雇用派遣)

・労働者が人材派遣会社に登録する
・人材派遣会社が労働者派遣契約を締結している企業に、労働者を派遣する
・派遣期間(同一事業所の同一部署で最大3年間まで)が定められており、派遣期間のみ賃金が発生する

常用型派遣
(無期雇用派遣)

・労働者と人材派遣会社が雇用契約を締結する
・人材派遣会社が労働者派遣契約を締結している企業に、労働者を派遣する
・労働者と人材派遣会社で雇用契約があるため、派遣期間に関わらず賃金が発生する

紹介予定派遣

・直接雇用を前提として、人材派遣会社が労働者派遣契約を締結している企業に労働者を派遣する
・派遣期間終了後、企業と労働者の合意があれば、派遣先企業と直接雇用契約を締結する

また、派遣先企業が直接雇用することを前提として派遣契約を締結する、紹介予定派遣も存在します。ただし、紹介予定派遣であっても、派遣契約時の待遇は他の派遣スタッフと変わりません。

常用型派遣は、スキルを持った人材が人材派遣会社の社員として雇用契約を結んでいることが多いです。

《関連サイト》
無期雇用派遣とは? メリットやデメリット、雇用条件、正社員との比較を解説

派遣エンジニアと正社員雇用のエンジニアの違い

派遣エンジニアと正社員雇用のエンジニアの主な違いとして挙げられるのは、以下のとおりです。

 

 

派遣

正社員

雇用主

人材派遣会社

勤務先の企業

契約期間

派遣契約内容によって制限がある

制限なし

給与・賞与

・人材派遣会社から支払われる
・登録型派遣の場合は時給制
・多くの場合、賞与なし

・勤務先企業から支払われる
・月給制
・多くの場合、賞与あり

福利厚生

就業先の福利厚生が利用できない場合がある

勤務先の福利厚生をすべて利用できる

派遣エンジニアのメリット・デメリット

エンジニア派遣とは?派遣会社からエンジニアで働く方法やメリットを解説_2

派遣エンジニアには、従業員側と企業側の双方にメリット・デメリットが存在します。派遣エンジニアとして働くのであれば、従業員側だけでなく、企業側のメリット・デメリットを把握することが大切です。

従業員側のメリット:派遣先ごとに幅広い知識と経験が得られる

派遣エンジニアとして働く従業員側のメリットとして、派遣先ごとの知識や経験が得られることが挙げられます。正社員の場合、業界が限定されているケースが多く、同じような業務やプロジェクトに参加することが一般的です。

しかし、派遣エンジニアの場合、さまざまな企業で派遣就業できるため、多様な業界のプロジェクトに参加できます。そのため、幅広いスキルや知識が得られるでしょう。

企業側のメリット:コストを抑えて人材を確保できる

派遣エンジニアを受け入れる企業側のメリットとして、コストを抑えて人材を確保できることが挙げられます。前述したように、IT人材は不足傾向にあり、エンジニアの獲得競争は激化してきました。

求人広告や大学へのリクルーティングだけでなく、SNS採用やダイレクトリクルーティングなど、採用方法の種類も増え、採用コスト自体も増加傾向にあります。人材派遣を活用すれば、人材の採用自体は人材派遣会社の力を借りられます。結果として、自社の採用コストを抑えたうえで、エンジニアを確保することが可能です。

給与計算や社会保険手続きなどの、労務コストが抑えられる点もメリットといえるでしょう。

従業員側のデメリット:雇用や収入が安定しない

派遣エンジニアとして働く従業員側のデメリットとして、雇用や収入が安定しにくいことが挙げられます。登録型の派遣エンジニアの場合、契約期間に制限があるため、同じプロジェクトで働けるのは最長で3年間です。

契約満了後、次の派遣先が見つからなければ、一時的に収入が入ってきません。常用型の派遣エンジニアであれば収入は安定するものの、派遣先企業は変わる可能性があります。ただし、これは派遣エンジニアに限った話ではなく、人材派遣で働く人すべてに該当することです。

企業側のデメリット:技術やノウハウの継承が難しい

派遣エンジニアを受け入れる企業側のデメリットとして、技術やノウハウの継承が難しいことが挙げられます。派遣契約は、あくまでも労働力の提供が目的です。

特に、登録型派遣であれば派遣期間の制限があるため、人材も定期的に入れ替わります。技術やノウハウは、人材を育成しながら継承していくものですが、人材の入れ替わりがあると、継続的な人材育成ができません。

派遣エンジニアの割合が高いほど、技術やノウハウの継承は困難になります。そのため、マニュアルでノウハウを残すなどの提案を積極的におこなえば、派遣先企業からの評価向上につながるでしょう。

人材派遣会社からエンジニアとして働く流れ

エンジニア派遣とは?派遣会社からエンジニアで働く方法やメリットを解説_3

人材派遣会社から派遣エンジニアとして働く流れは、以下のとおりです。

1. 人材派遣会社に登録(採用)
2. 派遣先の紹介
3. 職場を見学(担当者との顔合わせ)
4. 勤務開始

ここでは、それぞれの流れについて解説します。

《関連サイト》
派遣会社の登録ですることは?

1.人材派遣会社に登録(採用)

派遣エンジニアとして働くためには、人材派遣会社と雇用契約を結びます。登録型派遣であれば、希望する人材派遣会社のウェブサイトから仮登録をします。

登録する主な情報は以下のとおりです。

● 個人情報(氏名・住所など)
● 連絡先
● 学歴
● 職歴
● 保有資格
● 希望職種
● 希望勤務地

上記の情報とともに、本人確認書類と顔写真をアップロードすることもあります。また、登録後、面談を実施する人材派遣会社もあります。

常用型派遣の場合、通常の就職活動と同じように、採用試験を受けたうえで人材派遣会社と雇用契約を締結することもあります。

2.派遣先の紹介

人材派遣会社と契約後、人材派遣会社から保有スキルや希望に合わせて派遣先を紹介してもらいます。

紹介された派遣先の条件を確認し、求められている条件と自身のスキルや知識、希望する職種がマッチしているのかを見極めたうえで派遣先を決めましょう。

3.職場見学(担当者との顔合わせ)

派遣先が決まれば、人材派遣会社の担当者と派遣先企業の担当者とともに職場見学をおこなう場合があります。派遣先企業の担当者から業務内容や会社についての説明があります。

職場見学は、働く前に職場の雰囲気や職場環境を確認できる良い機会です。職場見学の機会がある場合は積極的に参加しましょう。

4.勤務開始

条件に問題がなければ、派遣先企業で勤務開始です。持ち物や服装については事前に人材派遣会社の担当者から説明があります。そのほかにも、不安なことがある場合は、就業前までに確認しておきましょう。

就業日初日は、挨拶の機会を設けられることが多いです。事前に挨拶や自己紹介の内容を考えておくと良いでしょう。

派遣エンジニアに向いている人

派遣エンジニアに向いている人の条件として、以下の3つが挙げられます。

● ITに興味がある
● 細かい作業が苦ではない
● さまざまな職場で働いてみたい

ここでは、それぞれの条件について解説します。

ITに興味がある

ITエンジニアとして働く以上、ITに興味を持っている必要があります。ITの派遣エンジニアは未経験採用もあり、経験がなくても挑戦することが可能です。しかし、ITは日々進歩しており、新しい方法や情報がアップデートされていきます。

たとえ未経験であったとしても、ITへの強い興味や関心を持っていることが、ITエンジニアとして働いていくうえで重要な要素です。

細かい作業が苦ではない

細かい作業が苦ではないことも、派遣エンジニアに向いている人の条件に挙げられます。ITの派遣エンジニアの業務には、PCでの情報処理や文書作成があります。

そのため、細かい作業が苦手と感じる人には向いていないかもしれません。また、雑務や単純作業を任せられることもあります。細かい作業や単純作業でも、前向きに取り組む姿勢があれば、ITの派遣エンジニアとして働き続けられるでしょう。

さまざまな職場で働いてみたい

さまざまな職場で働いてみたいことも、派遣エンジニアに向いている人の条件です。IT人材は不足しており、派遣エンジニアを求めている企業も多く存在します。

派遣就業中に次の派遣先が決まっているようなケースもあり、職場環境が短いスパンで変わることは十分に起こりえます。職場環境が変われば、雰囲気やルールも変わるため、環境の変化が苦手な人にとっては、ストレスを感じるかもしれません。

そのため、職場環境が変わることにストレスを感じない人や、さまざまな職場で働く経験を積んでみたいと思う人は、派遣エンジニアに向いているといえるでしょう。

まとめ

エンジニア派遣とは?派遣会社からエンジニアで働く方法やメリットを解説_5

派遣エンジニアとは、派遣先企業でエンジニアとして働く派遣スタッフのことです。本記事では、ITエンジニアについて解説してきました。ITエンジニアの中にもさまざまな種類が存在し、それぞれで求められる能力が異なります。

日本においては、IT人材の不足がさけばれており、ITの派遣エンジニアを活用する企業も増えてきました。

派遣エンジニアのメリット・デメリットを理解し、自身の特性やスキルとマッチしているのであれば、派遣エンジニアとして働くことを検討してみましょう。

スタッフサービス・エンジニアリングでは、2024年6月より、中途採用および新卒採用で入社予定の派遣エンジニア(常用型)に対して、入社前からITスキルを学習することができる機会を提供しています。

参考:
スタッフサービスグループ 「2024年6月より入社予定の派遣エンジニアに入社前からITスキルを学習する機会の提供を開始
スタッフサービス・エンジニアリング

ライター:田仲ダイ
エンジニアリング会社でマネジメントや人事、採用といった経験を積んだのち、フリーランスのライターとして活動開始。現在はビジネスやメンタルヘルスの分野を中心に、幅広いジャンルで執筆を手掛けている。

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