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ビジネスの場では失礼にあたる!?ビジネスの言葉遣いの間違い&正解を解説

ビジネスの場では失礼にあたる!?ビジネスの言葉遣いの間違い&正解を解説

「丁寧に」「失礼にならないように」と敬語を使っていても使い方を間違っていたり、なにげなく使っている言葉が、知らず知らずのうちに失礼にあたる言葉遣いだったりすることがあります。今回は、ビジネスにおける正しい敬語の使い方をはじめ、間違えてしまいがちな言葉遣いを整理して紹介します。

ビジネスの言葉遣いの基本をおさらい

ビジネスの場では失礼にあたる!?ビジネスの言葉遣いの間違い&正解を解説_1

相手に敬意をあらわすために使う「敬語」を正しく使うことが、ビジネスにおける言葉遣いの基本です。敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があり、それぞれを理解しておくことが必要です。

尊敬語とは

相手の動作や状態に使う敬語です。相手を一段高め、敬意を示します。
■「お(ご)~になる」「~れる(られる)」などをつける
例:「お越しになる」「お帰りになる」「ご覧になる」など

■名詞に「お・ご・御・貴」などをつける
例:「お仕事」「ご意見」「ご存知」「御社」「貴殿」など

■動詞が特別な形に変化する
例:「おっしゃる」「いらっしゃる」「召し上がる」「なさる」など

謙譲語とは

自分の動作や状態に使います。自分自身をへりくだることで、相対的に相手を高めたり立てたりする表現になります。
■「お~になる」「ご~いただく」「お~する」などをつける
例:「お目にかかる」「ご紹介いただく」「お待ちする」など

■「弊・拝・ども」などをつける
例:「弊社」「拝読」「拝受」「私ども」など

■名詞や動詞が特別な形に変化する
例:「お目にかかる」「伺う」「申し上げる」「頂戴する」など

丁寧語とは

丁寧な表現をすることで相手への敬意をあらわします。代表的な丁寧語は以下のようなものがあります。

■「です」「ます」「ございます」などをつける
例:「次回は1週間後の予定です」「受付は1階にございます」など。

■名詞に「お・ご」などをつける ※美化語(びかご)とも呼ばれます
例:「お知り合い」「ごゆっくり」「ご家族」など

尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分け例

ひとつの単語を尊敬語、謙譲語、丁寧語で使い分ける場合、どのような言葉になるのか比較して見てみましょう。

 

尊敬語

謙譲語

丁寧語

いる

・いらっしゃる

・おいでになる

おる

いる

する

・なさる

・される

・いたす

・させていただく

します

言う

・おっしゃる

・申す

・申し上げる

言います

行く

・いらっしゃる

・おいでになる

・お越しになる

・伺う

・参る

来ます

食べる

召し上がる

・いただく

・頂戴する

食べます

二重敬語には注意を

できるだけ丁寧にという思いから、使ってしまいがちなのが「二重敬語」です。すでに敬語である表現に、さらに別の敬語を重ねる表現で、相手に失礼な印象を与える可能性もあるため注意が必要です。

■「ご覧になられる」
「ご覧になる」(「見る」の尊敬語)+「~れる」(「~する」の尊敬語)のため二重敬語
⇒正:「ご覧になる」

■「お召し上がりになられる」
「召し上がる」(「食べる」の尊敬語)+「~れる」(「~する」の尊敬語)のため二重敬語
⇒正:「召し上がる」

■「おっしゃられる」
「おっしゃる」(「言う」の尊敬語)+「~れる」(「~する」の尊敬語)のため二重敬語
⇒正:「おっしゃる」

■「お伺いさせていただく」
「~お」+「伺う」(「行く」の謙譲語」+「~いただく」(~させてもらう」の謙譲語)のため三重敬語
⇒正:「伺います」

間違いやすいので要注意!ビジネスの言葉遣いNG例

ビジネスの場では失礼にあたる!?ビジネスの言葉遣いの間違い&正解を解説_2

相手に失礼にあたる言葉とは知らないで使っている人が少なくないNGワードも多くあります。ビジネスにふさわしい言葉遣いを確認しておきましょう。

「了解です」「わかりました」「とんでもない」「とんでもございません」

・「了解です」
「了解」は理解する、納得するという意味。「了解です」「了解いたしました」などは丁寧語ではありますが、目上の人に対して使うとぶしつけと受け取られる場合もあります。
⇒正:「承知いたしました」「かしこまりました」「承りました」などに言い換えましょう
※「承りました」にも言い換えることができますが、基本的には取引先やお客様など外部の人に使います。

・「とんでもない」
「とんでもない」は反論や否定をあらわす表現で、本来は「とんでもない人」など名詞につけて使います。これに丁寧語の「ございます」を付け足した「とんでもございません」は慣用句として広く使われていますが誤用です。
⇒正:「とんでもないことでございます」
そのほか、「めっそうもないです」「恐縮に存じます」「お気になさらず」などと言い換えてもよいでしょう。

「知っております」「なるほど」「なるほどです」

・「知っております」
「知る」の丁寧語と思われがちですが、「知る」の尊敬語は「ご存知」「お知りになる」、謙譲語は「存ずる」です。
⇒正:「存じ上げております」

・「なるほど」
あいづちとしてよく耳にする表現ですが、「なるほど」は感嘆詞のため、丁寧にする気持ちで語尾に「です」をつけてもNGに変わりはありません。上から目線だという印象を与えてしまうこともあります。
⇒正:「おっしゃるとおりです」や「そのとおりですね」

つい、「なるほど」と言ってしまった場合は、続けて「よく理解できました。ありがとうございます」などと言い添えると、誤解や失礼な印象を招くことがないでしょう。

「ご苦労さまです」

「ご苦労さま」は、ねぎらいの言葉として上下関係や社内外問わず使う人が少なくありませんが、本来は目上の人が目下の人に使う言葉です。
⇒正:「おつかれさまです」
相手の立場に関わらず使って差し支えない言葉としては、こちらがいいでしょう。また、社外の業者さんなどへは、「いつもありがとうございます」と伝えるとよいでしょう。

「~させていただく」

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「させてもらう」の謙譲語であり間違いではありませんが、多用すると恩着せがましく聞こえたり、正しく敬語が使えていない印象を与えることもあります。
例えば「電話させていただきます」は、
⇒正:「電話いたします」
こちらの方が、回りくどくなく丁寧な気持ちが伝わリます。

また、「お詫びさせていただきたいと思います」は、
⇒正:「お詫び申し上げます」
こちらの方がストレートに誠意が伝わるでしょう。

「なるべく」

「なるべく」は、もともとは「可能な範囲で」という意味です。敬語でなく普段使いの表現のため、ビジネスシーンにはふさわしく言葉といえるでしょう。例えば、「なるべく早くお願いします」という言い回しは、目上の人には失礼にあたることもあります。
⇒正:「できるだけ」「できる限り」「早急に」
また、明確な期限・具体的な日時がある場合は、それを伝えるのがベストです。

「お越しになられました」

「お~」と「~れる」という敬語が二重に使われている、いわゆる「二重敬語」です。
⇒正:「お越しになりました」「いらっしゃいました」「お見えになりました」

「拝見なさいますか?」

「拝見」は謙譲語たのめ、相手の行動に対して使うのは間違いです。
⇒正:「ご覧になりますか?」
同じように「どちらにいたしますか」も誤用です。「いたす」は自分の動作に使う謙譲語なので、相手に行動を促す際には、「どちらになさいますか?」と言うようにしましょう。

「私もご一緒します」

一見、自分の行動をへりくだった謙譲語のようですが、同格の相手に対して使う丁寧語です。目上の人に対しては、次のような言葉を遣いましょう。
⇒正:「ご一緒いたします」「お供いたします」

まとめ

普段なにげなく使っている言葉が、ビジネスの場では失礼にあたることもあります。相手に不愉快な思いをさせたり、自社やあなた自身の品位を下げないためにも、公私で言葉遣いを切り替えることが大切です。

また、正しい言葉遣いを心がけていても、仕事の相手と親しくなったり緊張感が薄れたりすることで、「○○的には」「~みたいな」「~とか」「~じゃないですか?」など、普段使っている「口グセ」が出てしまうこともあります。うっかり使わないように気をつけましょう。この記事で、間違った言葉遣いをしていないかをいま一度見直し、ビジネスにふさわしい言葉遣いが自然に使えるようにしましょう。

ライタープロフィール

みやごかよ(コピーライター/ライター)
複数の広告制作会社にてコピーライター、プランナー、制作ディレクターを経験後に独立。現在はフリーランスとして活動中。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく~」という井上ひさしさんの言葉を大切に日々ライティング中。猫と植物とアートをこよなく愛する一女の母。

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