職場に苦手な人がいるとき、どうすればいい?
職場ではバックボーンが異なる人が集まるため、どうしても苦手な人がいるケースがあるでしょう。苦手な人を意識し過ぎた場合、周囲との関係性にも悪影響がでる可能性があります。
苦手な人との接し方を知ることにより、周囲と良好な関係を構築できるとともに、あなた自身の気持ちも楽になるでしょう。本記事では、職場に苦手な人ができる理由や、苦手な人との付き合い方について解説します。
目次
嫌いな人や苦手な人ができる理由
職場において、嫌いな人や苦手な人ができる理由には、以下のものが挙げられます。
・ 外見や性格
・ 仕事の方法
・ 態度や話し方
・ ハラスメント
仕事に対する考え方の違いや高圧的な態度、ハラスメントをしてくるといったわかりやすい理由だけではありません。特にこれといった理由が見つからないものの、なんとなく苦手という人もいるでしょう。
これには「2・6・2の法則」が当てはまる可能性があります。また、職場はあくまで仕事をする場であり、交流する相手を選べないことも、嫌いな人や苦手な人ができる理由に挙げられます。
どうしてもつらい場合は、上司や信頼できる人に相談することも必要です。
2・6・2の法則
嫌いな人や苦手な人ができる理由に「2・6・2の法則」が挙げられます。「2・6・2の法則」とは、どのような人でも20%の人に好かれ、60%の人には好きでも嫌いでもない状態、残りの20%の人からは嫌われるという集団心理の法則のひとつです。
人によって多少の違いはあるものの、一般的に考えると、20名の部署であれば、自分のことを嫌いな人が4名いることになります。つまり人の集まりにいる以上、苦手な人がいることは当然なのです。
交流する相手を選べない
職場は仕事をする場であり、仲良くなるための場所ではないため、交流する人を選べません。そのため、嫌いな人や苦手な人と交流する機会があるのは当然です。
たしかに、良好な人間関係であれば仕事も円滑に進むため、従業員の交流を促進する企業もあります。しかし、あくまで仕事をするうえで必要なコミュニケーションさえとれれば、友人のように仲良くならなくても問題ありません。
職場は、仲良くなる場ではなく、仕事をする場であることを忘れないようにしましょう。
嫌いな人や苦手な人との付き合い方
職場では、どうしても嫌いな人や苦手な人と接する機会が出てきます。そのような場合、以下のような対応を心がける必要があります。
・ 態度を変えない
・ 挨拶はしっかりする
・ 仕事と割り切って接する
・ 一定の距離をとる
ここでは、それぞれの対応について解説します。
態度を変えない
嫌いな人や苦手な人との付き合い方として大切なのは、その相手だけ態度を変えないことです。いくら嫌いな人とはいえ、あからさまに態度を変えた場合、周囲の雰囲気が悪くなるでしょう。
その結果、周囲からはあなた自身が「精神的に幼い」「関わりたくない人」と思われてしまう可能性も考えられます。好意的な態度をとる必要はなく、顧客と思って接するだけでも構いません。顧客と思えば、嫌なことがあっても割り切れるでしょう。
挨拶はしっかりする
嫌いな人や苦手な人でも、挨拶はしっかりしましょう。挨拶されて気分が悪くなる人は少ないはずです。会話どころか挨拶もしなければ、相手と良好な関係にはなりません。
挨拶をすれば、あなたがコミュニケーションをとろうとしている思いは伝わります。挨拶を繰り返すうちに自然とコミュニケーションが発生し、仲良くなる可能性も考えられます。
ストレスを感じることなく仕事をするためにも、コミュニケーションをとる意志を伝えることが大切です。
仕事と割り切って接する
仕事と割り切って接することも、嫌いな人や苦手な人との付き合い方のひとつです。前述したように、職場は友人をつくる場ではなく、仕事をする場です。会社からも、仕事の成果をだすことを期待されているでしょう。
そのため、苦手な人がいたとしても、仕事と割り切ることが大切です。ネガティブな感情を持ったまま仕事をしていても、気持ちが落ちこんでしまう可能性があります。周囲への感謝や仕事への熱意といった、ポジティブな感情を出すことを意識するだけでも、気持ちが楽になるでしょう。
一定の距離をとる
嫌いな人や苦手な人と一定の距離をとることも有効です。2・6・2の法則があるように、どんなに努力をしても、好きになれない人は存在します。その場合は「近づかない」「最低限の会話に留める」といった、一定の距離をとると良いでしょう。
会話のきっかけになるような行為を避けたり、接点を減らしたりすれば、嫌な思いをする機会が減少します。ただし、仕事に必要なコミュニケーションをとることは忘れないようにしましょう。
嫌いな人や苦手な人に対しやってはいけないこと
いくら嫌いな人や苦手な人であっても、以下のような行為はやってはいけません。
・ 冷たい態度をとる
・ 悪口を言う
・ ケンカをする
・ 相手を意識する
ここでは、それぞれの行為について解説します。
冷たい態度をとる
嫌いな人や苦手な人に対し、以下のような冷たい態度をとってはいけません。
・ その人が近付いてきたら席を離れる
・ 話しかけられるだけでも表情を曇らせたり、テンションを下げたりする
このような態度をとった場合、相手も不快に感じ、あなたに対してさらに厳しい態度をとるかもしれません。また、あなたの態度に対し、周囲も不快感を持ってしまう可能性もあるでしょう。
へりくだった態度をとる必要はないものの、仕事に影響がでるような態度は問題です。仕事をしにきているということを忘れず、丁寧な言葉づかいや程よい距離感をとることを意識しましょう。
悪口を言う
悪口を言うことも問題です。どんなに相手にバレないと思っていても、知らないうちに本人に悪口が伝わっていたというケースは少なくありません。悪口を聞く方も気分が良いものではないでしょう。
悪口を言うことにより、ストレス発散になるかもしれません。しかし、たったひとつの悪口から、周囲との関係性が悪化してしまうこともあります。あなたの評判を守るためにも、安易に悪口を言うのは控えましょう。
ケンカをする
いくら嫌いな相手でも、ケンカをする必要はありません。仕事をするうえで、意見が異なることはあるでしょう。異なる意見に対し、議論を交わすことは良いことです。しかし、議論を超えてケンカになってしまっては意味がありません。
冷たい態度をとったときや、悪口を言ったときと同様に、周囲の人も不快感を持つ可能性があります。必要以上に相手を攻撃したり、人格否定したりといったことは言わないようにしましょう。
相手を意識する
必要以上に相手を意識する必要はありません。たしかに、嫌いな人や苦手な人のことは、心に残りやすく、意識してしまいがちです。しかし、意識し過ぎた結果、ネガティブな気持ちになってしまい、仕事中やプライベートの時間にも影響がでるケースがあります。
これは、あなた自身にとっても良くありません。特に、知らないうちに自分と相手を比較してしまい、ネガティブな気持ちになってしまうケースは少なくありません。相手を意識しないようにするには、相手のことを考える時間を減らすことが大切です。
相手のことを考えてしまう場合は、自分の趣味や好きなことを考え、意識をほかのことに向けると良いでしょう。
まとめ
職場で嫌いな人や苦手な人ができる理由には、外見や態度、ハラスメントといったもののほか「なんとなく苦手」というケースもあります。「2・6・2の法則」や交流する相手を選べないことにより、職場では、どうしても嫌いな人や苦手な人と接する機会が出てきます。
その場合、相手によって態度を変えたり、悪口を言ったりするのではなく、仕事と割り切って接することが大切です。どうしても苦手な場合は、一定の距離をとったり、上司や信頼できる人に相談したりしましょう。
《ライタープロフィール》
田仲 ダイ
エンジニアリング会社でマネジメントや人事、採用といった経験を積んだのち、フリーランスのライターとして活動開始。現在はビジネスや教育関連の分野を中心に幅広いジャンルで執筆を手掛けている。