一般事務とは?仕事内容や給与について解説
一般事務の業務範囲は企業によって異なるものの、主に書類作成やデータ入力などの業務を担当します。
本記事では、一般事務の業務内容やタイムスケジュールのほか、一般事務として働くメリット・デメリットや活用できるスキル、向いている人の特徴について解説します。
目次
一般事務とは
一般事務とは、書類作成やデータ入力などの事務作業のほか、電話応対や来客対応などの業務も担当する職種です。パソコンでの作業が多いことから「OA(office automation)事務」と呼ばれることもあります。
デスクワークが中心で、一つひとつの作業について専門的な知識や資格を求められることは少ないですが、企業によって業務範囲が異なり、中小企業や少人数の職場では、業務範囲が広くなる傾向があります。
一般事務の主な業務内容
一般事務の主な業務内容は以下のとおりです。
業務内容 | 概要 |
書類作成・書類管理 | ・契約書や申請書、請求書などの書類を作成し管理する ・WordやExcel、PowerPointのほか、会社が指定した専用ソフトで作成する ・書類に不備がないかの確認や、書類の保管もおこなう |
データ入力 | ・営業や顧客情報、マーケティング情報などのデータを入力する ・ExcelやAccess、会社が指定した専用ソフトで入力する |
電話・メール対応 | ・会社にかかってきた電話に対応する(担当者への取り次ぎや伝達対応など) ・会社宛てのメールに返信する |
来客対応 | ・来客の受付や会議室のセッティング、会議室への案内をおこなう |
備品管理 | ・消耗品の管理や調達をおこなう ・パソコンの手配や管理をおこなう |
郵便物の仕分け・発送手続き | ・郵便物や宅配物の発送や届いた荷物の仕分けをおこなう |
上記以外の業務を担当するケースもあります。企業によって業務範囲や業務内容が異なることを理解しておきましょう。
1日のタイムスケジュール例
一般事務の仕事はルーティンワークであることが多いため、優先順位を間違えずに業務をこなすことが大切です。勤務時間が8:30~17:30の場合の、基本的な1日のタイムスケジュールの1例は以下のとおりです。
8:30|出勤・始業
会社に着いたら、本日の業務の確認やメールのチェックをおこないます。書類作成やデータ入力などデスクワークを進めます。
12:00|休憩
13:00|午後の業務
来客対応や電話応対のほか、郵便物の発送や備品の手配などの急な依頼に備え、臨機応変に対応できるように業務を進めます。
17:30|退勤
諸連絡や情報共有を済ませたうえで退社します。
このスケジュールはあくまでも1例です。実際のスケジュールは企業によって異なります。
一般事務と他の事務職との違い
事務職には、一般事務以外にも営業事務や総務事務があります。それぞれの事務職と一般事務との違いは以下のとおりです。
事務職の種類 | 概要 | 主な業務 |
一般事務 | 社内の事務業務全般を担当する | ・書類作成やデータ入力 ・電話応対 ・来客対応 |
営業事務 | 営業部署で営業担当者の事務作業をサポートする | ・見積書や注文書の作成 ・受発注業務や商品の仕入業務 ・顧客情報の管理 |
経理・財務事務 | 企業全体の財務管理を管理する | ・伝票作成 ・税金手続き ・経費精算 |
総務事務 | 会社運営に関する事務作業を担当する | ・備品の発注や管理 ・オフィス物件やレンタル機器などの契約手続き ・人事業務 ・経理業務 |
営業事務では、商品やサービスに関する専門的な知識が必要であるように、他の事務職ではより専門的な知識が求められます。ただし、あくまでも一般的な業務内容での違いです。前述したように、企業によっては一般事務が営業事務や総務事務の業務を担当するケースもあります。
一般事務として働くメリット・デメリット
一般事務として働くメリットには、以下の3つが挙げられます。
● 未経験でも始めやすい
● 幅広い事務スキルが身につく
● 在宅ワーク可能な求人がある
一方、デメリットにはとして挙げられるのは以下の2つです。
● 仕事が地味
● 仕事の実績が見えにくい
ここでは、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
メリット①未経験でも始めやすい
一般事務の業務は多岐にわたるものの、一つひとつの業務に専門的な知識やスキルを求められることは少ないです。パソコンを使った業務も、働きながら覚えられるものが多く、未経験からでも始められます。
そのため、未経験の人材を採用している企業もあります。他業種からでも転職しやすいことは、一般事務のメリットといえるでしょう。
メリット②幅広い事務スキルが身につく
前述したように、一般事務の仕事は多岐にわたります。パソコンスキルやビジネスマナーなどの、幅広いスキルが身につけられるでしょう。
優先順位をつけて業務をこなせるようになれば、スケジュール管理能力も向上します。これらのスキルは、一般事務以外でも活用できるため、今後のキャリア形成にも活きてくるでしょう。
メリット③在宅で働ける
一般事務の仕事は基本的にルーティンワークが多いことは前述したとおりです。パソコンを使用するデスクワークも多いため、在宅でも働けます。実際、一部業務で在宅ワークが可能な求人も存在します。
育児や介護などを理由に、毎日の出勤が難しい人にとっては、在宅で働けることは大きなメリットといえるでしょう。
デメリット①仕事が地道
書類作成やデータ入力といった業務は、単純作業になりがちです。ひとつの作業に集中できる人にとってはメリットになるでしょう。しかし、単純作業が苦手な人やクリエイティブな仕事をしたい人にとっては、物足りないと感じてしまいます。
デメリット②仕事の実績が見えにくい
仕事の実績が見えにくいことは、一般事務をはじめとした間接業務(売り上げに直接つながらない業務)のデメリットといえます。
しかし、どれだけスムーズに仕事をこなしたとしても、売り上げのような実績が見えにくいため、頑張りを評価してもらえないケースもあります。評価を気にせず、業務を手際良くこなすことを楽しめる人であれば問題ないかもしれませんが、評価されにくいことにもどかしさを感じる人にとっては、デメリットといえるでしょう。
一般事務で働くときに活用できるスキル・活かせる資格
一般事務は専門的なスキルや資格を求められることは少ないものの、働くときに活用できるスキルが存在します。
活用できるスキル
一般事務で働くときに活用できるスキルとして、以下の3つが挙げられます。
スキルの種類 | 概要 |
パソコンスキル | ・タイピング能力 ・Word・Excel・PowerPointの基本操作 ・Excelの関数 |
ビジネスマナー | ・来客・電話応対 ・ビジネス文書やメールの書き方 ・正しい敬語の使い方 |
企業によっては、英語や専門分野の知識が求められるケースもあるでしょう。コミュニケーション能力については、職種関係なく求められるものです。業務に直接関係するものだけでなく、挨拶や雑談などで円滑にコミュニケーションをとれる関係性を作っておくことにより、他の従業員が働きやすい職場環境の整備につながります。
活かせる資格
一般事務で働くときに活かせる主な資格として挙げられるのは、以下の3つです。
資格 | 概要 |
MOS (マイクロソフトオフィス スペシャリスト) |
・Microsoft Officeのスキルを証明する資格 ・Word・Excel・PowerPoint基本的な操作に関する知識が求められる |
秘書検定 | ・秘書能力を評価する試験 ・社会人としての一般常識や基本のビジネスマナーの知識が求められる |
日商簿記 | 基本的な簿記の知識やスキルを証明する資格 ・仕訳や伝票の作成、決算書の基本的な読み方や分析などに関する知識が求められる |
上記以外にも、ITパスポートや日商PC検定なども一般事務の業務に活かせます。ただし、資格があれば必ずしも採用されるわけではないことを理解しておきましょう。
一般事務に向いている人の特徴
一般事務に向いている人の特徴として「PC操作に抵抗がない」「単純業務に取り組める」こと以外に、以下の3つが挙げられます。
● マルチタスクが得意な人
● こまめに報告・連絡・相談ができる人
● 周りの人のサポートが得意でやりがいを感じる人
ここでは、それぞれの特徴について解説します。
マルチタスクが得意な人
一般事務では、ルーティンワークの合間に来客対応があったり、急ぎの仕事が入ったりすることは珍しくありません。複数のタスクを順序良く進められる能力が求められるため、マルチタスクが得意な人は、抵抗なく一般事務の仕事をこなせるでしょう。
こまめに報告・連絡・相談ができる人
書類作成やデータ入力などの業務では、不備が見つかるのは珍しいことではありません。不備が見つかった場合、すぐに関係者に報告し、不備を修正しなければ、トラブルに発展する恐れがあります。
また、電話応対で自社サービスの不具合やクレームなどのトラブルを報告されることがあります。専門的な話を報告される場合もあり、自分だけでは対応できない場合もあるでしょう。その際は、上司や周囲に相談したうえで適切な対応をとる必要があります。
トラブルを未然に防ぐためにも、こまめに報告・連絡・相談できる人が求められます。
周りの人のサポートが得意でやりがいを感じる人
一般事務は、従業員が実務に専念するためのサポート役となる存在です。そのため、周囲の状況を把握して先回りして動けたり、サポートすること自体にやりがいを感じることができる人は、一般事務に向いています。
一般事務の給与
賃金構造基本統計の調査によると、従業員が10人以上1,000人未満の企業における一般事務の平均年収は387.2万円でした。国税庁の調査によると、正社員の平均年収は523万円となっており、平均年収に比べると低いことがわかります。
ただし、上記の平均年収はあくまでも参考であり、一般事務の給与は企業によって異なります。未経験でパート・アルバイト勤務であれば、時給が1,000円前後になる場合もあるでしょう。
スタッフサービスの「一般事務・データ入力」の平均時給は、1,360円 (2024年6月時点)です。年収は、企業規模や地域、スキルによって異なることを覚えておきましょう。
参考:e-Stat「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
まとめ
一般事務とは、書類作成やデータ入力、電話応対、来客対応などの従業員のサポートを担当する職種です。企業によって業務範囲が異なるものの、一つひとつの作業に専門的な知識や資格は求められることは少なく、未経験でも始められます。
未経験者でも始められ、幅広い事務スキルが身につくことや在宅で勤務できる場合があることはメリットですが、目に見えるような成果がでないといった側面もあります。
「PC操作に抵抗がない」「単純業務に取り組める」ことは、一般事務で働く人の条件といえるでしょう。それ以外にも、マルチタスクが得意な人や報連相ができる人、周りの人のサポートが得意でやりがいを感じる人は、一般事務に向いています。
スタッフサービスグループでは、一般事務の求人も取り扱っています。一般事務に興味がある方は、ぜひお問い合わせください。
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《ライタープロフィール》
ライター:田仲ダイ
エンジニアリング会社でマネジメントや人事、採用といった経験を積んだのち、フリーランスのライターとして活動開始。現在はビジネスやメンタルヘルスの分野を中心に、幅広いジャンルで執筆を手掛けている。