求人採用で企業が送るメールのテンプレートや作成、返送時のポイントを紹介
求人募集から採用までのやり取りで、応募者に採用・不採用などを伝えるメールは、シチュエーションごとに文面が異なります。そこで、メールのテンプレートを作成しておくことにより、採用担当者の負担を減らすことが可能となります。本記事では、求人採用で企業が送るメールにおけるポイント、シチュエーションごとのメールテンプレートを紹介します。
目次
求人採用の連絡でメールをおすすめする理由
企業側が送る求人採用に関連するメールには、求人応募受付完了の通知、履歴書や職歴書の送付依頼、書類選考通過から面接実施の通知、選考結果(内定・不採用)の通知など、さまざまあります。
メールで連絡するメリットとしては、電話よりも応募者と連絡を取りやすいこと、伝え漏れがないか送付前に見直しができ、後からでも応募者とどのような情報を共有したのか確認しやすいこと、また、形式が整ったメールテンプレートを利用することで担当者の作業効率がアップすること、などが挙げられます。
電話の場合、応募者との会話のなかで瞬時に判断を迫られることがあったり、聞き間違いや「言った、言わない」といったトラブルが起こったりすることもあります。メールでの連絡は、このような事態を抑えることができ、応募者が「日時や場所を忘れてしまった」といったリスクも減らすことができるでしょう。
また、電話を受ける応募者の都合もあります。転職活動中の応募者の場合、個人の携帯電話であっても現在の仕事場で電話がかかってきたら、出られないケースもあります。応募者に電話をかけても構わない日時を調整するのも、多数の応募者がいる場合、現実的ではないでしょう。
求人採用で送るメールのポイント
求人採用で送るメールにおいて、基本的なポイントを3つ紹介します。
応募者を待たせないようスピーディーに対応する
求人採用で送るメールは、スピード感をもって対応することが重要です。レスポンスが早いと仕事が早い、また、応募者を大切にしてくれているという印象を与えることもあります。
もしも、返信が遅れる場合は、「○日ごろお返事を差し上げます」と返信日を添え、メールを受け取っていることだけでも返信しておきましょう。
また、連絡メールは平日の営業時間中に送るようにしましょう。深夜や早朝、休日に送られてくるメールから、「残業が多い企業なのではないか」「休日出社が当たり前になっている会社?」といった不安を応募者に与えてしまうかもしれません。また、応募者に対して、企業側の営業日と営業時間を伝えておくことも大切です。
誤字脱字がないようにする
いくらレスポンスが早くても、誤字脱字があったり、内容がわかりにくかったり、また、誤りがあったりしたら、企業の印象が悪くなってしまうかもしれません。一字一句、丁寧に確認するようにしましょう。差別や不快な表現が含まれていないかもチェックする必要があります。ダブルチェックするなど複数人での確認もおすすめです。
伝わりやすく、文章全体が読みやすい流れになるよう意識する
求人採用で送るメールで大切なのは「伝わりやすさ」です。件名に関しては、採用に関するメールであることが応募者にすぐに伝わるよう、シンプルな文言を使いましょう。たとえば、「求人応募受付のお知らせ」「面接日程のご案内」など、冒頭の数文字で内容が判断できるようにするのがおすすめです。
文章全体が読みやすい流れになるよう意識することも大切です。記載事項が多いメールでは、改行を適度に使うなど工夫しましょう。視覚的にも読みやすくなります。特に、面接実施の連絡(面接日時や場所、持ち物など)、採用通知(今後の日程など)では、伝えるべき要素を簡潔にわかりやすく箇条書きで記載することをおすすめします。
求人採用のメールテンプレート
不特定多数の応募者とメールのやり取りをする場合、メールのテンプレートを作成しておくと、やり取りにかかる時間を短縮することができ、大切な連絡の抜けや漏れを防ぎやすくなるでしょう。
ここでは、①「求人応募受付完了|履歴書・職歴書の送付依頼」、②「書類選考通過から面接実施を連絡」、③「面接結果(内定)の連絡」、④「不採用の連絡」など、それぞれのシチュエーションごとにメールのテンプレート例を紹介します。
① 求人応募受付完了|履歴書・職歴書の送付を依頼するメール
求人応募受付完了のみでメールを送信するケースもありますが、ここでは、履歴書・職歴書の送付を依頼する内容を合わせたメールテンプレートを紹介します。
求人サイトを利用している場合、応募後の自動受付メールサービスなどもあります。採用担当者の負担を減らすことができるので、活用するのも方法のひとつでしょう。
【メールのテンプレート例】
件名:求人ご応募の件 株式会社□□□□□□ 〇〇〇〇様 株式会社□□□□□□採用担当△△△と申します。 この度は、弊社の求人採用にご応募いただき誠にありがとうございます。 選考にあたり、履歴書および職務経歴書の提出をお願いしております。 メールまたは郵送にて、必要書類を「×月×日(曜日)」までにお送りいただきますようお願いいたします。 《メールに添付の場合》 件名:応募書類送付の件(氏名) メールアドレス:△△△@△△△△△△ 株式会社□□□□□□ 採用担当宛 《郵送の場合》 〒××××-×××× 東京都△△区○○ 3-5-7 △△ビル×階 株式会社□□□□□□ 採用担当宛 書類を拝見後、選考結果をメールにてご連絡を差し上げます。 お手数ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 ========= 署名 ========= |
② 書類選考通過から面接実施を連絡するメール
書類選考通過をお知らせするとともに面接日を設定します。面接日は、企業側から候補日をいくつか挙げておくと応募者側も選びやすくなります。また、メールのやり取りも最小限に抑えられるでしょう。
【メールのテンプレート例】
件名:書類選考結果と面接のご案内 株式会社□□□□□□ 〇〇〇〇様 株式会社□□□□□□採用担当△△△と申します。 この度は、弊社の求人採用にご応募いただきありがとうございました。 書類選考の結果、○○様にはぜひ弊社の1次面接に進んでいただきたく、ご連絡を差し上げました。 面接に進んでいただける場合は、以下の日時よりご来社の日程をお選びいただけますでしょうか。 【候補日時】 ×月×日 (〇) ××:××~××:×× ×月×日 (〇) ××:××~××:×× ×月×日 (〇) ××:××~××:×× ※ご都合が合わない場合は、候補日程をいただけますと幸いです。 ※オンライン面接も可能ですので、ご遠慮なくお申し付けください。 【会場】 株式会社□□□□□□ 〒××××-×××× 東京都△△区○○ 3-5-7 △△ビル×階 【持ち物】 ・履歴書 ・筆記用具 ・印鑑(交通費支給のため) 【面接内容】 弊社の人事課長と採用部門の課長も同席し、仕事内容、会社のビジョンなどについてもお話しさせていただきます。 ご返信を心よりお待ちしております。 よろしくお願いいたします。 ========= 署名 ========= |
③ 面接結果(内定)の連絡メール
採用通知・不採用通知の連絡は早めにおこなうようにしましょう。一般的には、最終選考の3日後、遅くても1週間以内で内定通知をする企業が多いようです。
求職者は複数の企業に応募していることが予想され、連絡メールが遅れている間に、別の企業への入社を進めている可能性もあります。また、結果を待っている応募者の不安も軽減するためにも、採用が決定したら速やかに連絡しましょう。
【メールのテンプレート例】
件名:採用通知のお知らせ 株式会社□□□□□□ 〇〇〇〇様 株式会社□□□□□□採用担当△△△でございます。 先日は、弊社の最終面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。 厳選なる審査の結果、 〇〇様の採用内定が決定いたしましたので、ここにお知らせいたします。 【今後の手続きにつきまして】 入社手続きに必要な書類を郵送いたしましたので、記入・捺印のうえ、 ××××年×月×日までにご返送ください。 ご不明点がございましたら、遠慮なく下記までお問い合わせください。 総務部人事課:△△△ 電話:×××××× メールアドレス:△△△@△△△△△△ この後の詳細なスケジュールにつきましては、別途ご連絡を差し上げます。 〇〇様と共に働ける日を社員一同心待ちにしております。 以上、メールにて恐縮ではございますが取り急ぎご連絡申し上げます。 ========= 署名 ========= |
④ 不採用の連絡メール
不採用通知のメールでは、「不採用」という言葉を使わないようにしましょう。「採用を見送る」など違う表現に置き換え、応募者に配慮する必要があります。件名にも「不採用」と入れず、採用結果の連絡であることがわかるように記載した方がよいでしょう。
求人採用のメール全般にいえることですが、特に、不採用連絡メールにおける誠意のない文面は、自社のイメージを悪くしてしまうことがあります。不採用となった応募者が、取引先や関連会社に就職して自社と接点ができる可能性もありますし、自社が事業拡大した際の求人募集に再度応募してくれることも考えられます。慎重に書くようにしましょう。
不採用であったとしても、応募や選考に参加してくれたことへの感謝を伝えたり、応募者の好印象だった点などを記載したりすると、誠意ある採用連絡メールに近づけるでしょう。
【メールのテンプレート例】
〇〇〇〇様 株式会社□□□□□□採用担当△△△でございます。 先日は、弊社の最終面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。 〇〇様について、慎重に選考を重ねました結果、誠に残念ながら今回については採用を見送らせていただくことになりました。 ご希望に添えず大変申し訳ございません。 なお、お預かりしました応募書類につきましては、郵送にてご返却いたしますのでご査収ください。(※) 多数の企業のなかから弊社を選び、ご応募いただきましたことを深く感謝申し上げます。 〇〇様の今後ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。 ========= 署名 ========= |
処分する場合の例文
「応募書類は、こちらで責任を持って処分させていただきます。」
求人採用連絡でメールテンプレートを利用する際の注意点
求人採用の連絡メールをスピーディーに、内容に誤りがないよう送るためにテンプレートを利用することは効率的です。ただし、注意したいポイントもあります。
メールテンプレートそのままでは、気持ちのこもってない事務的なメールとして受け取られるケースもあります。本記事で紹介したテンプレートをベースに、求人内容や企業概要にあわせてカスタマイズし、自社オリジナルのメールテンプレートを作成しましょう。
また、応募者一人ひとりに合わせて、テンプレートの一部を変更するなどのひと手間も大切です。たとえば、面接のときに天気が悪かった場合、「あいにくの空模様のなか、先日は、弊社までお越しくださりありがとうございました。」と添えるのも工夫のひとつです。応募者に対しては、1対1のコミュニケーションを取るようなつもりでメールを送るようにしましょう。
メールの文面は、企業の印象を伝えるうえで大きな役割を果たします。求人採用に関するメールは、企業から発信される公式のメッセージであることを自覚しつつ、文調や表現には気を遣うことが必要です。
まとめ
メールテンプレートを利用することで、採用担当者のメール作成と確認の手間を削減できるメリットがあります。ただし、求人採用のメール連絡は電話と異なり履歴が残るため、「内容に不備や漏れがないか」「言い回しや表現が応募者を不快にさせないか」など気を付ける必要があります。
応募者は、採用担当者とのやり取りを通じて企業の対応や雰囲気も見ています。本記事で紹介したテンプレートをベースに、自社に合ったものにカスタマイズする、応募者一人ひとりに合わせて、テンプレートの一部を変更するなどの工夫を加え、丁寧に接するようにしましょう。
ライタープロフィール
ナカイマミ/編集者・ライター
求人媒体で求人広告の制作、編集記事の制作に10年以上携わった後、女性誌、生活情報誌、地域活性に関係する媒体などで多くの取材、ライティングを手掛ける。気が付けば、47都道府県を踏破。海外よりも日本が好き。