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自分自身が楽しんで好きなことを仕事にしているので、あまり大変だとは思いません。

自分自身が楽しんで好きなことを仕事にしているので、あまり大変だとは思いません。

新條恵美子さんは、東京ガールズ(※)所属のアシスタントディレクターとしてチアダンスのイベント企画や演出・プロスポーツチームのディレクターを行う傍ら、個人でもスポーツチームのマネージメントや、チアダンスレッスンをおこなうなど幅広く活動しています。

※ 東京ガールズ:日本全国で活動するプロフェッショナルチアダンスチーム。

今回は、新條恵美子さんにチアダンスを中心としたスポーツに携わる仕事をすることになった経緯とワークスタイル(働き方)についてお話を伺いました。

気晴らしで観に行ったチアダンスの公演が
きっかけでインストラクターの道へ。

自分自身が楽しんで好きなことを仕事にしているので、あまり大変だとは思いません。_1

― まずは、現在のお仕事に就いた経緯を教えてください。

新卒でPR会社に入社し、約3年スポーツメーカーの担当をしていましたが、体調を崩して退職をしました。休養期間に気晴らしで観に行ったチアダンスの公演がきっかけでインストラクターの道を目指しました。元々チアリーディング(組体操を取り入れたアクロバティックな技を披露する華やかなダンス)を経験していたのですが、踊るだけのチアダンス(チアリーディングの中のダンス部分だけを独立させた競技)があるのをその公演で初めて知って「いいな!」と興味を持ちました。ちょうどその公演でインストラクターを募集していたのも踏み出すきっかけになりました。
チアダンスについては何も知らない状態だったので、まずはチアダンスの団体が開催しているインストラクター養成講座を受けて座学と実践をおこないインストラクターの資格を取得しました。そして資格取得後、すぐにレッスンクラスを紹介してもらい、気付けばチアダンスのインストラクターとしての道を歩んでいました。

― チアダンスのお仕事だけに絞ることに不安はありましたか?

当時チアダンスはまだメジャーなものではなくて、チアダンスを教えられる人もあまりいない状態でした。そういったこともあって、チアダンスの講師だけをメインに食べていくという人はあまりいませんでした。私自身も不安がなかったわけではないですが、チアダンスインストラクター養成講座を受けたチームからスポーツクラブなどのクラスを紹介してもらい、「なんとかやっていけるんじゃないかな?」と思って、思い切ってチアダンスインストラクターメインの仕事に転身しました。最初は会社員時代の半分くらいのお給与でしたが、平日の月~金曜日まで毎日レッスンを持てるようになった頃から徐々に収入も安定してきました。そんな時に、チア仲間からの紹介で、チアの業界では有名な柳下容子さんが代表を務める「東京ガールズ」から声をかけていただき、新しく立ち上がるプロバスケットボールチームのチアディレクターのお話を頂きました。現在は東京ガールズのオペレーションディレクターとし主に企画や営業などの活動もしています。

大変だったり辛いなと思うときは、
「好きでやっている」ということを
忘れないようにもう一度立ち返ります。

自分自身が楽しんで好きなことを仕事にしているので、あまり大変だとは思いません。_2

― プロスポーツチームのチアディレクターは、具体的にはどんな仕事をするのですか?

オーディションでチアリーダーを選び、トレーニングするところから始まります。その後振り付けを考え、レッスンやリハーサルを行い、本番当日の変更点を確認するなどさまざまです。大きくわけると「オーディション・レッスン・リハーサル」「事前打ち合わせ」「当日運営」の3つですね。他にも衣装のデザインや資料作り、音源編集など様々な仕事があります。ディレクターになって感じたのは、様々な事象に対応する能力がないと難しい仕事なのだということです。これはインストラクターの仕事だけではわからなかったことだと思います。もちろんインストラクターの仕事も楽しいのですが、ディレクター業をするようになってからは、仕事上で関わる方の範囲が広がり、そこでまた新しい発見やビジネスが生まれることがあったりして楽しいです。

― 仕事をするうえで大事にしていることはありますか?

元々好きなことから始めた仕事だから、自分自身が楽しんでやらないといけないかなと思っています。好きでやっていても、やっぱり大変なことや辛いなと思うこともありますが、そういうときに「自分が好きでやっているのだから」と再確認します。自分が大切にしているのは「楽しんでやる」「好きということを忘れない」ということです。

チア部の可愛さと目の前で見た迫力あるダンスに衝撃をうけて、入部を決めていました。

自分自身が楽しんで好きなことを仕事にしているので、あまり大変だとは思いません。_3

― チアリーティングはどのようなきっかけで始めたのですか?

高校の部活紹介がきっかけです。元々クラシックバレエをやっていて、高校でもやるつもりでいましたが、部活紹介でみたチア部のキャラの濃さや可愛さ、アクロバティックで華やかなダンスを目の前で見て、とても衝撃をうけてすぐに入部を決めました。そのチア部は全国大会を目指すレベルだったので練習もかなりハードでした。結果クラシックバレエも辞めざるをえなくなり、完全にチア1本に絞りました。部活紹介では一番華やかにみえたチア部でしたが、人の上から落ちてケガをしたこともあるし、当時はチアが中心の生活でした。

― それではチアの魅力とは何でしょうか?

やはり「人を元気にできる」「笑顔にできる」というのが1番の魅力だと思います。それにプラスして自分自身が辛いときや悲しいときでも、人を応援することで自分も元気になれるというところです。人にしていることが自分にも返ってきているのかなと・・・それがとても魅力に感じて今も続けているのだと思います。

ダンスを教えるだけでなく「チアスピリット」を大切に指導しています。

自分自身が楽しんで好きなことを仕事にしているので、あまり大変だとは思いません。_4

― チアダンスをする時は「元気にしたい!」という気持ちを持つことが大事ですか?

チアダンスは「チアスピリット」というものをとても大事にしています。ここが他のダンスとは違うところで、ヒップホップやクラシックバレエは基礎や踊りを教えることがメインだと思いますが、チアダンスは心構え、つまり「チアとは何か」を理解することも重要です。例えばチアダンスを初めて踊る子どもには必ず「チアってなんだと思う?」という問いかけから始めて、「英語のCheer(チア)を日本語にすると人を元気づけるという意味なんだよ。怖い顔で踊っていたら元気づけられないでしょ?お友達を元気づけるときはニコニコしていないとダメだから、笑顔じゃないとダメだよね。」と話しています。アメリカでよく言われているのは、チアリーダーはお手本になる存在(ソーシャルロールモデル)と言われます。「素敵だな」とか「あんな人になりたい」と思われるような存在であれというのが、チアのスピリットです。だから大人のチアリーダーにも「憧れの女性であれ」と伝えています。

― 平日、土日関係なくお忙しそうですが、休みはとれていますか?

確かに試合の日やイベントの日は、朝から晩までというときもあります。けれども好きなことを仕事にしているので、周りがいうほど私自身は大変に思っていません。それに今は会社に所属せず、フリーで活動しているので自分で仕事量やペースを調整できます。独身なので時間が自由に使えることもあって、仕事をたくさん入れていますが、今後結婚して子供ができた時は「月水金だけレッスンをします」とか、自由に調整もできますね(笑)

プライベートは
大好きなバスケの観戦や映画鑑賞はじめ、
最近はホットヨガにもはまっています!

自分自身が楽しんで好きなことを仕事にしているので、あまり大変だとは思いません。_5

― 好きなことが仕事になっていると切り替えが難しそうですが、どうしているのでしょうか?

レッスンだったら「おはようございます!」と生徒に挨拶したときから仕事のスイッチが入ります。バスケのディレクターとして入るときは、会場に一歩入った瞬間から完全仕事モードになります。好きなことをやっているからこそ、仕事に対してのプライドもすごく高くて「下手なことはできない」という意識が自然と働きますね。
プライベートとオフがなかなか区別しづらいのが難しいところですが、オフにはできるだけ仕事のことは忘れて、スポーツ観戦や映画鑑賞をしています。最近はホットヨガにもはまっています。美味しいものを食べたりお酒を飲むのも大好きです。旅行も趣味で、オフができるとフラっと一人で旅に行くこともあります。

― 今後やってみたいことや挑戦してみたい仕事、目標はありますか?

今までチアにフォーカスして走ってきましたが、最近はスポーツの現場での仕事も増えてきて、スポーツ全体に視野が広がってきました。オリンピックも控えているし、スポーツとチアをどう絡めていくか、スポーツ全体に対してエンターテイメントという切り口で何ができるかということにすごく興味を持っています。そういった方面のお仕事に関わっていけたら良いなと思っています。スポーツ全体を盛り上げるための力になれたら良いです。

インタビューを終えて

3歳以上対象のチアダンスレッスンクラスを見学しましたが、どの子もみんな楽しそうに踊っている姿にこちらまで元気づけられました。人生に大きな影響を与えたチアとの出会いや仕事へのプライドを語った新條さんの言葉の端々からは強い情熱が感じられました。

チアレッスン及びチアディレクター仕事風景

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