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新たなプロジェクトや過去に上手くいかなかった仕事にチャレンジする"勇気"をくれるマンガ3選

新たなプロジェクトや過去に上手くいかなかった仕事にチャレンジする"勇気"をくれるマンガ3選

仕事をしていると、押しつぶされてしまいそうなほどのプレッシャーを感じる場面も訪れるでしょう。

前例がないような新しい案件を唐突に任されたり、以前しくじってしまった現場で今度こそリベンジを果たさなければならなかったりと、事情は人によって様々だと思います。でも、それが自分の仕事である以上、放り出して逃げ出すわけにはいかないのがツラいところですよね。

そんな問題を私たちはどうやって切り抜けるべきなのか?今回は読者を勇気づけてくれるようなマンガ3作品をピックアップし、そのストーリーや、作品から得られる"学び"に追っていきます!

『進撃の巨人』から学ぶ──困難と粘り強く向き合い、乗り越えるための気の持ち方

新たなプロジェクトや過去に上手くいかなかった仕事にチャレンジする"勇気"をくれるマンガ3選_1

作品データ/『進撃の巨人』
作者:諫山創 『別冊少年マガジン』連載中、既刊25巻(2018年4月現在)
(C) 諫山創/講談社

まず紹介するのは『進撃の巨人』です。アニメ化、実写映画化、小説化、ゲーム化…とさまざまな展開を見せ、多くの話題を振りまいてきたマンガですから、知名度はバツグンでしょう。

物語のスケールは非常に壮大。人類は"巨人"と呼ばれる謎の生命体に侵略され、滅亡の危機に瀕していましたが、高さ50mにも及ぶ三重の壁を築き、その内側で何とか"100年の平和"を保っていました。

しかし、主人公のエレン・イェーガーは「外の世界がどうなっているのか」という好奇心を捨てられずにおり、巨人を恐れて暮らす人生など、エレンにとっては家畜も同然。たとえこのまま平和が続いたとしても、「何も知らずに一生壁の中で過ごすなんて嫌だ!!」と、将来的には"調査兵団"に入ることを熱望しています。

調査兵団の任務はズバリ、壁の外側に遠征して巨人の生態を探ること。これなら確かに、エレンの願いは堂々と叶えられますよね。ただ当然、調査兵団は巨人に殺されるリスクも極めて高いため、エレンの母親や幼なじみのミカサ・アッカーマンは「やめた方がいい」と反対していました。

そんななか、一番外側の壁である"ウォール・マリア"が巨人に攻撃され、穴を開けられるという大事件が!続々と侵入してきた巨人によって"100年の平和"は呆気なく奪われ、エレンの母親も、エレンが見ている前で巨人に食べられてしまうのでした…。

5年後、人類は2割の人口と1/3の領土を失い、生活圏は二番目の壁(ウォール・ローゼ)まで後退していましたが、巨人の侵略から生き延びていたエレンやミカサは"訓練兵団"を優秀な成績で卒業。いよいよどこの兵団に配属されるか決まるというタイミングで、人類はまたも巨人に襲われてしまいますが、トレーニングを積んだエレンたちは、もうやられっぱなしではありません。

このときまでエレン自身も知らなかったのですが、なんと彼は巨人に変身する能力を秘めていました。エレンが"巨人の力"を使えば、人間では掘り起こせない大岩を持ち上げ、かつて巨人に開けられてしまったウォール・マリアの穴を塞ぐことができる──人々はエレンの可能性に賭け、作戦を開始します。

エレンは巨人化した自分を上手く制御できず苦しみます。そして彼のために大岩を運ぶ道を作ろうと、多くの兵士が巨人の犠牲となりました。それでも"駐屯兵団"の精鋭部隊は「何人死のうと何度だって挑戦すべきだ!」「これが俺達にできる戦いだ…俺達に許された足掻きだ」と、悲壮な決意で自分たちを鼓舞。誰もが必死の抵抗を続けた結果、作戦は成功に終わり、これは"人類が初めて巨人の侵攻を阻止した快挙"となったのです。

ここまでのストーリーはまだまだ序章に過ぎませんが、どんな劣勢でも決して諦めようとしないエレンたちの姿勢には、私たちも大いに励まされますよね。

何か新しい事業を始めるときはもちろん、一度頓挫してしまった仕事で再起を図りたいときなどは、「もし望んだ結果が出なくても死ぬわけじゃない」と、開き直ってみるのはいかがでしょうか。

何回つまずいたって、何回でもやり直せるのです。

かといって、その一回一回に賭ける情熱が弱いようでは、せっかくチャレンジする意味が薄れてしまうというもの。たとえやり直せると頭では理解していても、「今回こそは何が何でも決めてやる!」という強い意志を持って臨むようにしなければ、そこに費やす時間も労力も、無駄になってしまうだけでしょう。

それまでの取り組みが挫折続きだと、「どうせ今度もダメかもしれない…」と考える卑屈な自分がどうしたって胸のなかに巣食ってしまいがちですが、ときにはそんな自分さえも受け入れる勇気が必要です。また、過去の失敗を反省し、今後に活かせるような教訓を学び取る積極性が求められます。そのうえで、いかに粘り強く挑戦を続けられるかが、仕事の突破口を見い出すための焦点になってくるのかもしれません。

自分の最大の敵は自分…とはよく言ったものですが、そういう試行錯誤や葛藤を経て掴み取った成功こそ、自分にとってかけがえのない財産になることは間違いないですよね。そして、その成功体験を自信に変えることができれば、きっと次の仕事では臆せず邁進できるようになるのではないでしょうか。

『けいおん!』から学ぶ──動機は後回しでも、まず行動することが大事だというメッセージ

新たなプロジェクトや過去に上手くいかなかった仕事にチャレンジする"勇気"をくれるマンガ3選_2

作品データ/『けいおん!』
作者:かきふらい 『まんがタイムきらら』連載、全4巻
(C) かきふらい/芳文社

2つ目の作品は、『進撃の巨人』とは打って変わってほのぼのとしたタッチで描かれた4コママンガ『けいおん!』。

タイトルが示すように高校の軽音楽部が舞台になっており、テレビアニメのみならず劇場アニメまで制作されるほどの人気を博しました。キャラクターたちの使用楽器をアニメの視聴者たちが実際に購入し、品薄になったというエピソードもあるくらいですから、社会的にかなりの影響力を誇っていた作品だと言えます。

その原作となったマンガを改めてチェックすると、主人公の平沢唯が軽音楽部に入った経緯について「こんなテキトーだったっけ?」と驚いてしまうかもしれません…。

桜が丘高校の新入生だった唯は、どの部活に入ろうか決められないまま2週間が経ってしまいました。幼なじみの真鍋和にもその様子を心配されていた唯ですが、なぜか突然「とりあえず軽音楽部ってところに入部してみましたっ!!」と、和に発表します。

そう、入部の理由は"とりあえず"でしかありませんでした。和に「軽音部ってどんなことするの?」と質問されても、唯は「さあ?でも、軽い音楽って書くからきっと簡単なことしかやらないよ!口笛とか!」と笑顔で答えてしまう有り様。唯にはギターなんて弾けるはずがなく、せいぜいカスタネットがいいところです。

軽音楽部に対する勘違いを自覚した唯は、「入ったばかりで言いにくいけど…やっぱり辞めるって言おう」と、暗い面持ちで音楽室に向かいました。そこにはベース担当の秋山澪、ドラムス担当の田井中律、キーボード担当の琴吹紬が待っており、彼女たちは唯と同じ1年生。

実をいうと軽音楽部は、上級生の卒業による人数不足で、廃部寸前のピンチに陥っていたのです。唯が4人目の部員として加われば廃部を回避できるという状況だったため、彼女たちは「私たちの演奏一度聞いてから入部するかどうか判断しない?」と、唯の退部を必死に食い止めようとするのでした。

演奏を終え、「えへへ…どうだった?」と、唯に感想を尋ねる部員たち。しかし唯は「なんていうか…すごく言葉にしにくいんだけど…あんまりうまくないですね!!」と、まるで容赦ナシ!自分が楽器を弾けない身であることを、完全に棚に上げています。

ただ、彼女は部員たちを批判したいわけではありませんでした。唯は「でもなんだか楽しそうな雰囲気が伝わってきました」と即座にフォローし、「私この部に入部します!!」と宣言。ギターをイチから学ぶ覚悟で、軽音楽部への仲間入りを果たすのです。

真剣に音楽に取り組んでいる方々からすれば、唯がギターを始めた動機は「軽すぎる」と感じてしまうのかもしれません。でも、こうした思い切りの良さは誰もがマネできるものではないですよね。

学校の部活動とはいえ、社会人にとっての仕事に共通する部分も数多くあるはず。「もしかしたら失敗するかもしれない」とリスクを想定し、慎重に進めることもときには重要ですが、「絶対に上手くいく」と自分を信じてチャレンジを仕掛けることのほうが、もっともっと大切なのではないでしょうか。

唯は「楽しそうな雰囲気」という自分の直感に従ったおかげで、仲間たちとともに、だんだん音楽の魅力に取りつかれていきました。ロックミュージシャンのような言葉を使ってみれば、それはまさに"初期衝動"だったのかもしれません。

入部後の唯はバンドのオリジナル楽曲を引っさげて学園祭ライヴにも出演しますし、2年生に進級した後は、かわいらしいギタリストの後輩とも出会います。これらは言うまでもなく、軽音楽部に入部していなければ味わえない経験だったことでしょう。

自分からアクションを起こしていかなければ、プライドが傷つくこともない代わりに、新しい喜びだって得られなかったはず。未知なる何かに挑戦したとき、もちろん一発で成功させることができればベストですが、もし失敗したら失敗したで、それは次のステップへ進むための貴重な糧となってくれるのです。

…ということを、大人になった私たちはとっくに知っているはずなのですが、歳を重ねるに連れて、好奇心よりも失敗に対する恐怖が勝るようになってしまってませんか?そんなときはお気に入りの音楽でも聴いて、「守りに入るのはまだ早い!」と、自分を奮い立たせてみるといいかもしれませんね。

『信長のシェフ』から学ぶ──自分の武器を研ぎ澄ますことでわかる、時代を超越した処世術

新たなプロジェクトや過去に上手くいかなかった仕事にチャレンジする"勇気"をくれるマンガ3選_3

作品データ/『信長のシェフ』
原作:西村ミツル(10巻まで。11~12巻は料理監修)、
作画:梶川卓郎 『週刊漫画TIMES』連載中、既刊20巻(2018年3月現在)
(C) 西村ミツル・梶川卓郎/芳文社

3つ目のマンガは再びシリアスなテイストに戻り、『信長のシェフ』です。"信長"と聞いてみなさんが真っ先に思い浮かべるのはあの戦国大名だと思いますが、まさにその信長です。

このマンガは料理人のケンが織田信長の料理頭に重用され、その腕を存分に振るいながら戦国時代を生き抜いていく物語。たとえば、ケンが信長に初めて食べさせたメニューは"真鴨のロースト 柿のピュレ 栗と野生のキノコ添え"というものなのですが…「そんな料理、戦国時代に存在したの?」と疑ってしまうのではないでしょうか。

それもそのはずで、実はもともと、ケンは私たちと同じ平成を生きていた人間なのです。ところが、気付いたときには戦国時代にタイムスリップしており、しかも自分が何者かという一切の記憶を失っていました。

そんな状況でも唯一覚えていたのは、料理にまつわる知識。タイムスリップしてきたばかりのケンは間者(スパイ)に間違われ雑兵に命を狙われており、鍛冶職人の夏に拾ってもらうのですが、夏がウナギを"宇治丸"と呼ぶのを聞いたケンは「ここは…戦国時代の京都なのか…」と、瞬時に把握します。

さらに、夏の家で宇治丸を料理しようとしたケンは醤油がないことに気づき、醤油が使われ始めたのは1580年前後=今はそれ以前の時代と連想。宇治丸を蒲焼きにするつもりだったケンは、限られた調味料と食材でベストを尽くそうとメニューを変更し、"宇治丸のネギ塩焼き 干し大根の味噌和え"を完成させました。「こんなうまいもの食えるの殿様くらいだろうよ」と、夏はケンの腕前に感動します。

もちろん、ケンは「(自分が)どこから来て…どこで…何をすればいい…?」と戸惑いも見せますし、戦国という時代の厳しさに、心の底から馴染めるわけもありません。ケンとの料理対決に負けた信長の元料理頭を、信長に「斬れ」と命じられたときも、ケンは刀を手に取ることができませんでした。

それが理由でケンも危うく信長に殺されそうになってしまうのですが、ケンは信長に「あなたは俺を斬らない」「俺には利用価値があるから」と強気のアピールに出て、挽回のチャンスを得ます。「料理の腕一本で何もかも認めさせてやる」という気迫が、信長に伝わったのでしょう。

ケンの状況はあまりにも特殊ですが、私たちが仕事をするうえでも、慣れない環境に急に放り込まれるということはあるでしょう。そこで必要なのは、ケンにとっての料理のように、自分の長所をしっかりと見極めそれを活かしていま何ができるかを考えるということではないでしょうか。

「これは苦手だけれど、これならできる」という自分ならではの強みを理解し活かすよう心がけていれば、どんな仕事にだって臆することなく挑めるはずです。「隣の芝は青い」ということわざのように、もしみなさんが「自分はあの同僚みたいに優れた能力を持っていない」とネガティブに感じていても、相手から見れば、みなさんが得意としている"何か"を羨ましく思っていることだってあるでしょう。

そういう自分だけの武器を徹底的に研ぎ澄ませば、これまでは自分に向いていないと思っていた仕事でも驚くほどスムーズに進められるかもしれませんし、一度は失敗に終わってしまった仕事にだってリベンジできそうですよね。成功を導き出すための鍵は、それぞれのなかに眠っていると言えます。

しかし、くれぐれも誤解しないよう努めたいのは、"自分ならではの強みを活かす"というのは、スタンドプレーとはまた異なるということ。自分が組織のなかで目立つために長所を発揮するのではなく、あくまでも、組織や社会に貢献できるかどうかという点がポイントになってくるでしょう。それが"適材適所"にハマり、自分の新境地を切り拓くことにつながったら素敵ですよね。

失敗を恐れぬ積極的なトライ&エラーが、
仕事に付加価値をもたらす!?

もしも仕事は生活費を稼ぐための手段でしかないと捉えているのなら、挫折なんてしないに越したことはないですよね。そのほうが、挑戦を繰り返す人生よりも、ずっと気楽に生きられるはずです。

ただ、現状に満足していない部分が少しでもあるのなら、「引き受けるの嫌だな…」と思った仕事にも、果敢に立ち向かってみてはいかがでしょうか。成功を収められるかどうかは実際、さほど大きな問題ではなく、本当に意味があるのは自分が「チャレンジした」という経験そのもの。

私たちは一日の多くの時間を仕事に費やしているわけですから、その間に自分を成長させることができれば、お給料以上にお得な収穫だと言えるかもしれませんよ!