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男女雇用機会均等法の関連法規に関して

男女雇用機会均等法の関連法規に関して

男女の均等な機会及び待遇の確保(セクハラの防止を含む)を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的としている男女雇用機会均等法。今回は通称「均等法」とも呼ばれる本法の関連法規について解説します。

男女雇用機会均等法とは?

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男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律/昭和61年施行)は、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図ること」「女性労働者の就業に関して妊娠中・出産後の健康の確保を図る等の措置を推進すること」を目的としています。 また、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることを基本的理念とし、事業主は基本的理念に従って、労働者の職業生活の充実のために努力することが求められています。

禁止事項と健康管理措置

男女雇用機会均等法の関連法規に関して_2

禁止事項は「均等法9条」で、健康管理措置は「均等法12条・13条」で、それぞれ定められています。

禁止事項(均等法9条)
不利益取扱いの禁止
女性労働者が婚姻、妊娠、出産、産前産後休業取得(労働基準法65条・67条)したことを理由として、「解雇」「その他不利益な取扱い」を受けることはありません。使用者は、上記を理由として「解雇」「その他不利益な取扱い」をしてはいけません。

解雇制限

妊産婦に対してなされた解雇は、原則として無効となります。
※妊産婦を理由としての解雇ではないことを、使用者が証明できた場合に限り有効となります。

健康管理措置(均等法12条・13条)
妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置

[1] 妊産婦は、母子健康法の規定内で、自分自身の保健指導・健康診査を受けるために必要な時間を、就業時間中に確保できます。(使用者は、就業時間中であっても、妊産婦の為に、母子健康法の規定内での保健指導等の時間を確保しなければなりません。)
[2]使用者は、[1]により妊産婦が医師から与えられた注意事項を、妊産婦が守れるよう必要な措置<勤務時間変更・就業時間短縮・休憩時間取得等>を講じなければならない。

母性健康管理措置

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男女雇用機会均等法では、労働基準法における母性保護措置の他にも、事業主の義務として、妊娠中または出産後の女性労働者に講ずべきとされている「母性健康管理措置」を定めています。
また、妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置、母性健康管理措置の規定は派遣先にも適用されます。

妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置(均等法12条)
事業主は、妊娠中及び出産後1年を経過しない女性労働者のための保健指導または健康診査を受診するために必要な時間を確保することができるようにしなければなりません。

妊娠中の健康診査の回数

妊娠23週(6ヶ月末)まで4週間に1回
妊娠24週(7ヶ月)から35 週まで2週間に1回
妊娠36週(10ヶ月)以後出産まで1週間に1回
ただし、医師又は助産師(以下「医師等」)が異なる指示をしたときは、その指示に従って、必要な時間を確保することができるようにしなければなりません。

産後(出産後1年以内)の健康診査

医師等が指示する、必要な回数

妊娠中及び出産後の勤務時間変更や勤務の軽減に関する措置(均等法13条)
妊娠中及び出産後の勤務時間変更・勤務の軽減
妊娠中及び出産後1年を経過しない女性労働者が、前項の健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合、その指導を守ることができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければなりません。

妊娠中の通勤緩和(時差出勤、勤務時間の短縮、交通手段・通勤経路の変更 等)
妊娠中の休憩に関する措置(休憩時間の延長、回数の増加、休憩時間帯の変更 等)
妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置(作業の制限、勤務時間の短縮、休業 等)
医師等の指導がない場合や不明確な場合にも、女性労働者を介して主治医や産業保健スタッフと連絡をとり判断を求めるなど、適切な対応が必要です。