キャリア形成支援制度とはどんなもの？

2015年9月に改正された労働者派遣法で、「派遣労働者のキャリアアップを後押しする計画的な教育訓練の実施」が派遣会社に義務付けられました。この法律で定められた教育訓練のことをここでは「キャリア形成支援制度」といいます。

この「キャリア形成支援制度」を用意しない場合、労働者派遣事業の認可は認められません。さらに、以下のような要件をクリアしている必要があります。

【キャリア形成支援制度の主な要件】

・すべての派遣労働者を対象としていること
・有給かつ無償で行われていること
・賃金などの処遇や技術レベルが上がるなどのキャリアアップに資する内容であること
・入職時には必ず教育訓練を実施すること
・キャリアコンサルティングの相談窓口を設置すること

これらの要件をクリアするキャリア形成支援制度を、派遣会社ごとに策定しています。そのため、派遣会社によってさまざまな教育訓練が用意されているのです。

キャリア支援制度の目的は、派遣スタッフ一人ひとりが描いている目的や目標、将来像に達することができるように支援することです。

そのため、「一律に提供される職業訓練」と、カフェテリアメニューのように「自分のキャリアアップのために選べる職業訓練」がバランスよく組み立てられることが重要とされています。

キャリア形成支援制度が制定された背景には、「派遣スタッフは社員と比較して職業能力形成の機会が乏しい」という状況への改善要請がありました。それまで派遣会社それぞれに任されていて、格差が大きかった教育機会の提供が義務化されたことは、非常に大きな意義のあることです。

スタッフサービスでは、キャリア形成支援制度が法律で策定される以前から、派遣スタッフにさまざまな教育研修の機会を提供してきました。2019年現在、段階的・体系的なキャリア支援として3段階のレベルに分かれたコースを用意しています。

キャリア支援制度について、よくある質問をピックアップしてご紹介します。

【実際にどれくらいの時間、教育研修を受けることができるの？】
受講可能時間は1年目から3年目までは8時間（16講座）まで、4年目は1時間（2講座）となります。

すべての派遣スタッフが定期的に受講できるよう、1年ごとに受講期間が決められています。就業開始後からそれぞれ12カ月目（1年目）、24カ月目（2年目）、36カ月目（3年目）、48カ月目（4年目）の初日から30日間です。
就業をスタートするタイミングで、お仕事に役立つスキルを身に着けていただけるように設計されています。それ以外の期間での受講や、労働契約終了後の受講はできません。

なお、49カ月目（5年目以降）は無給となりますが、さらなるキャリアアップに役立てていただけるよう、時間の制限なくすべての講座を無償で受講できます。

【研修を受けたときに支給される賃金について具体的に知りたいです！】
受講可能時間に応じて雇用契約に基づく1講座30分相当の賃金（就業時間中に受講することが難しいと考えているため、契約時給に時間外割増を含めた額）が支給されます。

【どんな講座がありますか？】
派遣スタッフの声にこたえる形で、ブラッシュアップしています。今回はそのなかでも特に「受けてよかった！」との感想を頂く講座を一部、ご紹介します。

・どんな職場でも役に立つMicrosoft「Office」。そのなかでもExcelとWordは初級から上級まで細かくレベルに分けて講座をご用意しています。

・初めてオフィスワークにチャレンジする方に好評なのが、ビジネス敬語の使い方や電話応対を学べるビジネスマナー講座です。「基本を知っておくことで、安心してお仕事に取り組めました」との声をいただいています。

教育訓練計画概要
https://www.staffservice.co.jp/staff/kyouiku/

「せっかくお仕事をするのなら、少しでも時給が上がるようなスキルを身につけたい！」
「憧れているお仕事に就くために、有利になる資格を取りたい…」

そんなキャリアアップの「希望」をお持ちなら、ぜひ派遣会社の担当者に相談してください。
もちろん、「どんな研修プランがあるのか知りたい」「どこの派遣会社に登録するか、研修内容を見比べて決めたい」という方も、気軽に問い合わせてみてくださいね！

※当コラムに掲載されている情報は2019年8月時点のものです。