派遣スタッフの保険のあれこれ

派遣スタッフの保険のあれこれ

雇用保険に加入できる基準って?

派遣スタッフの保険のあれこれ_1

労働者にとって大切な雇用保険。雇用保険とは、失業したときの保険や、育児休業などが必要になったときの給付金、資格スクールなどに通うときに国から補助が出る教育訓練給付金などが利用できる制度です。比較的、転職の機会が多い派遣スタッフにとってはいざというときに頼りになるので、きっちり覚えておきたいところです。
労働時間や労働日数が短い派遣スタッフの方でも、“同じ派遣会社に31日以上雇用される見込みがある”、“1週間の所定労働時間が20時間以上”の両方に当てはまるなら、加入することができます。給与明細を見ることで自分が加入しているかどうかがわかるので、確認しておきましょう。あてはまる場合は、派遣会社の担当者に相談してみましょう。

派遣スタッフのほとんどが雇用保険の条件に該当する?

派遣スタッフの保険のあれこれ_2

1週間の所定労働時間が20時間以上となるためには、1日7時間勤務の人が週に3日働く、あるいは月曜から金曜まで1日4時間働く、などで満たせます。実際には、ほとんどの派遣スタッフの人がこの基準を満たしているため、企業は雇用保険への加入義務が生じます。
“31日以上雇用される見込み”という条件も、あくまで当初の予定なので、契約の更新を繰り返すことで、31日以上雇用状態にある予定であればOKです。

ちなみに失業したときに失業給付をもらうためには、ハローワークや厚生労働省が定める「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲、特定の会社都合などの解雇理由」に該当した場合には、過去1年間に6ヶ月以上雇用保険の加入期間が必要です。自己都合による退職理由だと、過去2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入期間が必要となります。
受給条件を満たしているか気になる方は、ハローワークに相談してみるとよいでしょう。

リスクや将来のために大事な保険

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病気やけが、将来の保障のための準備という点で、健康保険と厚生年金保険も派遣スタッフの皆さんに知っておいてほしい保険です。健康保険は病気やけがの治療費、また、治療のために休職せざるをえなくなったときに所得保障を受け取る保険です。出産育児一時金や、出産手当金も、各種健康保険に加入することにより受け取ることができます。それに対して、厚生年金は老後にもらう年金や障害を負ってしまったときに受ける年金のための保険です。
健康保険と厚生年金保険への加入は、派遣スタッフの派遣期間、労働時間・労働日数の条件を満たす必要があります。このうち派遣期間が2ヶ月以内の契約期間の人は加入できませんが、2ヶ月を超えて働いた場合は、加入する必要があります。
また満40歳以上になると、介護保険に加入する義務が生じます。高齢化に伴い、2000年から施行になった保険で、高齢者の介護を社会全体で支えあう仕組みです。健康保険料とともに給与から天引きされます。のちに介護認定者となったとき、訪問介護や施設での介護についてサービスを受けることができます。
各種保険の中でもお世話になる機会が少なく、あまり詳しい説明を聞くこともないのが労災保険でしょう。ただ、万が一のときにはとても重要な制度ですので、簡単に説明しておきましょう。労災保険は業務上の事故や通勤中の負傷などに、保険料が支払われる制度です。単純なケガだけではなく、ケガをしての障害、死亡時などにも支払われます。
労災保険の支払いのためには、病院などから出してもらった診察の証明などを、労働基準監督署に提出しなければなりません。とはいえ個人での手続きはかなり手間がかかるので、通常は会社の指示に従って申請します。

誰しもいつなんどき働けなくなったり、まとまった金額が必要になったりする可能性があります。社会保険はそんな場合に備えて社会全体で支えあっていくための制度なのです。

※当コラムに掲載されている情報は2016年3月時点のものです。

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