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職場の人間関係に疲れたときにどうすればいい?

職場の人間関係に疲れたときにどうすればいい?

企業でのキャリアカウンセリングで、比較的多い相談が「職場の人間関係」です。プライベートなら自分の性格や志向にあった人とだけ関わればいいので、それほど悩まずにすむかもしれませんが、仕事となれば、自分の価値観や考え方とは180度異なる人たちと関わることも少なくありません。

そうなると精神的なストレスなどにより、パフォーマンスの低下やメンタル不調に陥ることにもあります。そうならないために、職場における人間関係に悩む原因から紐解き、どのように対処すればよいのか、具体的なポイントを紹介します。

職場の人間関係を良好にするメリット

人間関係を悪化させると、本業(自分の仕事)に大きな影響を与えます。まずは、良好な人間関係を築くメリットを解説しましょう。

仕事を楽しめる

ほとんどの仕事は一人で完結できません。社内なら上司や同僚などのサポートが必要なため、コミュニケーションが欠かせません。職場での人間関係を良好にできれば、悩み事の相談や、ときには無理なお願いも遠慮せずに言えるので、ストレスをためこまずに仕事ができます。そうなれば、仕事はもちろん会社に行くのも楽しくなってくるでしょう。

パフォーマンスが高まる

人間関係が良好になれば、知識やスキルを周りから自然と吸収することができます。また過度なプレッシャーもなくなり、自己裁量で主体的に仕事に取り組めるようになるため、パフォーマンスも高まっていくでしょう。

職場の人間関係に悩む原因

職場の人間関係で悩む原因は、基本的に人によってさまざまです。具体的にどんな原因があるのでしょうか。

過酷な労働環境や仕事によりストレス過多になる

「残業が多く、休みがほとんどない」「パワハラ的な発言や行動が多い」「自分が苦手とする仕事で、やりがいを感じない」など、職場が過酷であったり、苦手な仕事であったりすると、大きなストレスを抱えることになります。それによって、自分のことで頭が一杯になり、周囲のことまで考えられずに、人間関係にひびが入ってしまうことがあります。

社員同士のコミュニケーション不足

仕事では、性格も価値観も異なる人たちと同じゴールを目指して、取り組むことが多いです。そのため「コミュニケーション」が少なくなったり、欠如したりすることで、相手との意思疎通が図れなくなり、お互い考えていることにズレが生じてしまいます。この状態を修復しないままでいると、関係性が壊れていく可能性があります。

職場の人間関係で悩むとどうなるか?

大きく3つのことに影響を及ぼします。詳細を見てみましょう。

内面的影響

まず人間関係の悩みは、心理的なストレスとして影響を与えます。それによって仕事自体が嫌になったり、休日も悩みが気になってしまい、ゆっくり過ごせなくなってくるでしょう。その悩みが深刻な状態になれば、気づかぬうちに不眠症などの、メンタル不調に発展してしまうかもしれません。

身体的影響

内面的な影響と同様に、身体に対しても影響を及ぼすことがあります。人間関係がうまくいっていない相手と話をする前には、頭痛や動悸、腹痛に見舞われる方もいます。継続的に発症するようなことがあれば、専門医師に診てもらうようにしましょう。

パフォーマンスへの影響

内面的(心理的)ストレスと身体的ストレスが大きくなってくると、仕事のパフォーマンスへも大きな影響を与えます。以前なら、長時間集中できた仕事も、それが難しくなってきたり、「納期」「アポイント」など基本的な業務を失念したりする可能性があります。意識せずにいると、そのまま放置してしまうことがあるので、こうした変化があれば気をつけるようにしましょう。

人間関係の悩みを解消するには

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では、具体的に人間関係の悩みを解消するには、どうすればいいのでしょうか。具体的には4つのやり方があります。

思考を変える

関係をこじらせている相手との付き合い方について、「これまでとは180度考え方を変える」こと。これが1つ目のやり方です。これまで「苦手な人でも、相手に合わせよう」と考えていた人なら、今後は無理に合わせないようにする。反対に、そういう人とはできる限り距離をとっていた人なら、思い切って「こちらから積極的にコミュニケーションをとってみる」。このように自分の考え方を変えることで、新たな気づきが芽生え、それを機に関係性が変わるかもしれません。

上司や同僚に相談する

人間関係で悩みが起きたら、一人でその悩みを抱え込まないようにするのも大切です。例えば、上司や同僚などに相談して、チーム(組織)で解決できるようにしましょう。そのためには、日頃から周囲の人とはコミュニケーションを積極的におこなうことも必要になってきます。それによっては、人間関係などの悩みも起こりにくくなってくる効果もあります。

人事部などに相談する

上司と人間関係でこじれている場合は、チーム内にはなかなか相談できません。そんなときは、人事部などの社内の第三者機関(部署)を利用するといいでしょう。場合によっては、配置転換により環境を変えることができます。また相手からパワハラやセクハラを受けた際には、社内の対策・相談窓口を設置している企業もあるので、いざというときは迷わず相談しましょう。

転職を考える

社内の人たちに頼ったり、人事部などに相談したりしても、思うように悩みを改善できない場合などは、思い切って転職をして、会社を変える方法もあります。今の仕事を無理に続けてストレスを抱え続けるくらいなら、今回のことを教訓にして、新天地で他の人との関係も含めて仕事に対してポジティブに向き合うほうが、より健全な働き方ができるでしょう。

まとめ

職場の人間関係に悩んだら、周りの人に相談したり、制度を利用して配置転換してもらうなど、自ら行動することで、悩みを解決する方法はいくつもあります。しかし、それでも解決できない場合には、転職などで会社(働く環境)を変えてみる。それが基本的な解決策の手順だと思います。

なお転職を考える場合、正社員や派遣社員、業務委託など、今ではいろいろな働き方が選べます。その中でも派遣社員や業務委託は、自分の希望に合わせて派遣期間を区切りながら働けるので、職場の人間関係に悩み、疲れた人にとっては、より働きやすい環境を築けるのではないでしょうか。
 


<ライタープロフィール>
西谷 忠和

新卒・中途採用、進学などのメディアにて広告制作ディレクターを経験後、2007年に独立。現在は、フリーのライターとして採用サイト、求人メディアの広告、採用のオウンドメディア、人材サービス企業のインナーコミュニケーションなどのコンテンツ制作に携わっています。またライフワークとして、20~50代のビジネスパーソンやフリーランスのキャリア支援をおこなうキャリアコンサルタントとしても活動中。