スマホ見過ぎてない?デジタルデトックスでリフレッシュする方法
コロナ禍に定着したビデオ会議や動画観賞、ゲームにSNSと私たちがパソコンやスマホ、タブレットのディスプレーを見る時間は、ますます長くなる傾向にあります。目の疲れや肩こりといった不調につながるだけでなく、必要がないのについ開いてしまう「スマホ依存」に陥っている可能性も。
そこで注目されているのが、こうしたデジタル機器と意図的に距離を置く「デジタルデトックス」です。今すぐできる簡単な方法からその効果まで紹介します。
デジタルデトックスとは?
NTTドコモ モバイル社会研究所が実施した「2022年 スマホ利用者行動調査」によれば、スマホ利用者の半数以上が「自身のスマホ利用時間を減らしたほうがよいと思っている」そうです。減らしたいと思っているのにそうできないのは、すでに「スマホ依存」に陥っているからかも。もし少しでも自覚があれば、あなたもデジタルデトックスを取り入れてみると良いかもしれません。
デジタルデトックスとは、パソコンやスマホ、タブレットと意図的に距離を置いて、ディスプレーから解放される時間を作ること。単に画面を見ないというだけでなく、ディスプレーの向こう側にあるさまざまな情報から切り離されることで、今、目の前にある風景を楽しむなど、現実の世界に集中することができます。
スマホの見過ぎによるストレートネックや、ブルーライトの刺激による睡眠への影響も深刻ですが、「スマホ依存」の一番の問題はネガティブな情報やSNSでの反応、あるいは就業時間外でもつい見てしまう仕事のメッセージといったものに心が縛られてしまうことです。あえて見ない、触れない時間を作ることで心を解放してあげましょう。
デジタルデトックスのやり方
デジタル機器を見ない、触れないようにするだけなので、デジタルデトックスは誰にでもできます。しかし、長時間となると実際にはなかなか難しいのではないでしょうか? そこでまずは、スマホの通知をオフにするところから始めてみるのはどうでしょう?
「スクリーンタイム」機能を活用する
最近のスマホには、使いすぎを防いでデジタルウェルビーイング(デジタル機器の健全な利用)を促すための機能が、標準で備わっています。iPhoneでは「スクリーンタイム」、Androidスマホではそのまま「デジタルウェルビーイング」という名前で、「設定」からアクセスできます。
いずれも自分がいったいどんなアプリをどのくらい利用しているのかわかるだけでなく、一定時間通知をオフにしたり、アプリをあえて使えなくしたりすることができます。もともとは子供のスマホの使いすぎを防止するための機能ですが、自分のスマホとの付き合い方を見直すのにも大変良い機能です。
・iPhone|スクリーンタイム
iPhoneの「スクリーンタイム」には「休止時間」があり、オンにすると自分でオフにするか、明日の午前0時まで電話など必要最小限の機能以外は利用できなくなります。スケジュールを決めて設定することもできます。
・Android|デジタルウェルビーイング
Androidスマホの「デジタルウェルビーイング」には「フォーカスモード」という機能があり、オンにすると次にオフにするか、スケジュールを決めた時間まで、指定したアプリ(機種によっては指定したアプリ以外)を一時停止することができます。
いずれもオンにすると通知をブロックできるだけでなく、デジタルデトックス中に、ついうっかりスマホを手にしてしまってもアプリが使えません。一定時間使わないと決めて、スマホを伏せてしまいましょう。
使えない環境に身を置く
近くにあるとつい手が伸びてしまうという場合は、あえてスマホを置いて出掛けてしまうというのはどうでしょう。最初は少し不自由に感じるかもしれませんが、「スマホのない時間を楽しむ」というように切り替えてみてください。
スマホがあっても、使えない環境に身を置く方法もあります。後発の楽天モバイルでもすでに人口カバー率が98%を超えているなど、日本は全国どこでも携帯電話がつながりやすいですが、それでも山間部など電波が届きにくいところはあります。最近はデジタルデトックスを目的に、電波が届かないことをあえてアピールポイントにしている温泉宿やキャンプ場などもありますし、一定期間スマホを預けて自然に親しむツアーなども開催されています。そうした場所、イベント等を利用するのもいいでしょう。
デジタルデトックスにおすすめのグッズやアプリ
デジタルデトックスに役立つユニークなグッズもあります。
・タイムロックポーチ
「タイムロックポーチ」は、タイマー付きの南京錠が付いたポーチで、設定した時間が来るまでポーチを開けることができません。中にスマホを入れてロックしてしまえば、強制的にデジタルデトックスができるというものです。ほかにも同様に、一定時間開けられない「タイムロッキングコンテナ」がいろいろなメーカーから発売されています。
参考:https://superclassic.jp/?pid=120501
・Forest
スマホに触らないことが楽しみにつながる、そんなアプリもあります。「Forest」は、スマホに触れないことで木が育つアプリ。逆に設定したタイマーの時間内に他のアプリに触れてしまうと、木が枯れてしまいます。スマホに触れずにほかのことに集中できた分だけ木が育ち、森を作ることができます。木を育てるとコインが獲得でき、貯まったコインを使って異なる種類の木が購入できる楽しみも。成果が目に見えるので、ゲーム感覚で続けることができます。
参考:
https://apps.apple.com/jp/app/forest-%E9%9B%86%E4%B8%AD%E5%8A%9B%E3%82%92%E9%AB%98%E3%82%81%E3%82%8B/id866450515
https://play.google.com/store/apps/details?id=cc.forestapp&hl=ja&gl=US
・アロマオイル、アロマキャンドル、ハーブティー、ホットアイマスクなど
せっかくのデジタルデトックスですから、その間はできるだけリラックスした時間を過ごしましょう。アロマオイルやアロマキャンドルといった香りのエッセンスを使ってもいいですし、ハーブティーもおすすめです。パソコンやスマホで酷使した目をホットアイマスクなどでケアしてあげるのもいいでしょう。普段スマホで音楽を聴くことが多い人は、あえて日常の音に耳を澄ませてみると、新たな発見があるかもしれません。
デジタルデトックスの効果
デジタルデトックスをやってみると、普段自分がどれくらいデジタル機器に縛られていたかがよくわかります。特にスマホは、コミュニケーションから決済まで今や生活になくてはならないものですが、ネガティブなニュースに気落ちしたり、ソーシャルメディアでの友達の投稿に一喜一憂したり、メッセージの通知が気になったり……と、心が疲れてしまう危険な要素も持ち合わせています。
デジタルデトックスには、長時間ディスプレーを見ることによる目の疲れや肩こり、睡眠の質の低下など、直接的な身体の不調を軽減できるだけでなく、情報を遮断することで、心穏やかでいられる効果も大きいと思います。知らず知らずのうちに蓄積されてしまうストレスを解消し、心身ともにより良い状態でいるためにも、スマホから距離を置く時間を意識してみてください。
1日のうちほんの数分、たとえば電車の中でスマホを見るのをやめるといった小さな一歩からでも構いません。デジタルデトックスを始めてみませんか?
ライター プロフィール
太田百合子
スマホ女子ライター、テックライター、エディター。パソコン、携帯電話、スマートフォンからウェアラブルデバイス、IoT機器まで、身近なデジタルガジェットと、それら通じて利用できるさまざまなサービス、アプリケーション、および関連ビジネスを中心に取材・執筆活動。『マツコが知らない世界』にも出演。