派遣登録に年齢制限はある? 40代・50代が多く活躍する人気職種とは?
正社員や契約社員、アルバイト・パート、業務委託などさまざまな働き方がある今、「派遣スタッフとして働く」ことも選択肢の一つとなっています。しかし、派遣で働く上で、「40歳を過ぎてもお仕事を紹介してもらえるの?」「派遣登録には年齢制限があるでは?」と心配されている方も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では、派遣登録の年齢制限について、そして、40代から派遣スタッフとしてお仕事を探しやすくするポイントなどについて解説します。
目次
派遣スタッフに年齢制限はある?
「派遣で働きたいけど、40歳を過ぎた自分の年齢では難しいのでは?」と考えている方もいらっしゃると思います。実際のところ、派遣の求人情報では「年齢不問」「40歳以上のスタッフが活躍中」といった言葉が記載されているケースもあり、派遣スタッフに年齢制限は設けられていません。そのため年齢を問わず、派遣会社に登録をすることが可能です。
雇用対策法により年齢制限は禁止されている
平成19年10月に雇用対策法が改正されてから、事業主がおこなう労働者の募集・採用において、年齢制限の禁止が義務化されました。そのため、年齢を理由に応募を断ることや書類選考や面接で採用の可否を決めることは法律上できなくなっています。「40代だから」「50代だから」という理由で断られることはありません。
※ただし、令和5年3月31日までは特別措置として、就職氷河期時代(33歳以上55歳未満)の不安定就労者・無業者に限定した募集・採用が可能となっています。該当する年齢層に向けた求人を見かけることがあるかもしれませんが、期間限定の年齢制限付きの募集となります。
派遣スタッフの40~50代の割合は全体の約45%
厚生労働省の調査(平成29年)によると、派遣スタッフの年齢層でもっとも多いのが40~44歳の16.5%となっています。40歳から59歳までを合計すると全体の44.8%、60代以上まででは全体の55.5%に上ります。つまり、派遣スタッフの半数以上が40代以降です。「40代でも派遣で働けるのかな…」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には30代までの世代よりも40代以上の派遣スタッフが多く活躍しているのが現実です。少子高齢化によってシニア層が活躍しやすい環境となっていることもあり、今後もこの傾向は続くものと予想されます。
職場での人間関働く意思があれば誰でも派遣登録できる
派遣登録は、年齢、性別、学歴、職歴、資格、スキルなど関係なくできます。また、そうした条件を理由に雇用主から断られることはありません。登録するために必要なのは「派遣スタッフとして働きたい」という意思だけです。派遣登録をすると、担当コーディネーターがお仕事探しをサポートしてくれます。コミュニケーションを取り、仕事への思いややる気をアピールしましょう。
お仕事が見つかりやすくなる!5つのポイント
派遣会社への登録が済んだら、実際にお仕事探しをします。派遣会社の求人ページを見て自分ひとりでお仕事を探すこともできますが、派遣会社にはコーディネーターが在籍しています。これまでどんな仕事をしてきたのか、どんなスキルがあるのか、これからどんな仕事がしたいのか、どんな条件を望んでいるのかなどを伝えると、条件に合った仕事を案内してくれます。以下にお仕事を紹介されやすくするためのポイントを紹介します。
1.経験とスキルで即戦力アピール
企業側としては、新たな人材を採用する場合、採用から育成まで多くの時間と費用を費やすことになります。しかし、派遣スタッフを採用すれば、そのコストを減らすことができます。
そこで派遣スタッフに求められるものが「即戦力」です。派遣先企業は、社会人としての経験や業務経験、スキルをもった方に入社してすぐに活躍してもらうことを期待しているのです。
求人票には「対象となる方」や「求める人物像」といった項目があります。ここで、派遣先が「派遣スタッフにどのようなスキルを求めているのか」を知ることができます。社会人経験を積んだ方にとっては、これまで培ってきたスキルが大きな武器となるでしょう。
■未経験でもチャンス!
一方、派遣会社には未経験歓迎の求人もありますし、2015年の労働者派遣法改正により、派遣会社でも、スキルアップのためのさまざまなサポートがおこなわれるようになりました。即戦力でなくても働きながらスキルを身に付けて、活躍できる仕事に出会える可能性もあります。
スタッフサービスグループでは、全国の提携スクールなどで、目的やレベルに応じた多彩な講座を取り揃え、登録スタッフの皆さまのスキルアップやキャリアアップを応援しています。
▼スタッフサービスグループのスキルアップサポート
https://www.staffservice.co.jp/benefits/skillup.html
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未経験でも大丈夫!派遣でスキルを磨く!
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2.希望条件をゆるめに設定
派遣登録の際、希望する勤務日数や勤務時間、時給、残業の有無、通勤エリアなどを設定することができます。ただ、条件を狭め過ぎてしまうと紹介される求人情報が少なくなってしまうことがあります。まずは多くの情報を手に入れられるように、条件に幅をもたせておくことをおすすめします。
最初に設定する際には、これまでの経験上どうしても譲れないものだけに限定し、希望条件に優先順位をつけて優先度の低いものは条件をゆるめます。そして、たくさんの情報のなかからお仕事を絞り込んでいきましょう。
3.複数の派遣会社に登録
派遣会社のなかには、ある業界のみに特化した求人票を公開しているところや、ミドル層など特定の年齢層に力を入れている派遣会社、ワークライフバランスを重視したお仕事に強い派遣会社など、会社ごとに特徴があります。
リサーチをして、自分の希望に合った派遣会社数社に登録することで、選べるお仕事の幅が広がります。また、複数登録することで比較ができ、派遣市場の相場感を養うこともできます。
ただし、複数登録していることは、各派遣会社に事前に報告をするようにしましょう。他の派遣会社にも登録をして、積極的に仕事を探していることを伝えておくと、仕事の紹介を断る場合に、角が立ちにくくなります。
そして、もっとも注意したいのは、派遣会社をまたいで、複数の仕事にエントリーしていて、職場見学の日程が重なってしまった!というケースです。複数の仕事に同時にエントリーする場合は、派遣会社を1社に絞ったなかで複数エントリーをするか、多くても2~3社程度を目安にするとよいでしょう。自分で管理できない件数は応募しないようにすることです。
※スタッフサービスでは複数の仕事にエントリーすることが可能ですが、派遣会社により異なりますので、事前に確認しましょう。
4.担当コーディネーターと良好な関係性を築く
派遣会社の担当者とコミュニケーションを取り、希望職種や勤務条件、自分自身のスキルを把握してもらうことで、希望に近い求人を紹介してもらえる可能性が高くなります。気になることがあれば直接電話をして相談することもできます。その際は謙虚な姿勢や話しやすい雰囲気を心がけ、信頼を得ることを心がけましょう。
また、長期の仕事が決まらない時などは、短期の仕事を受けるといった柔軟な対応や、新たなスキルを学ぼうとする姿勢、資格取得を目指す意欲も大切です。そうした積極性は担当者に届き、「この人なら自信をもって企業に紹介できる」と認めてもらえるようになります。
5.倍率の低い求人を探す
知名度や安定感のある大手企業の求人は、人気があるため競争率が高い傾向にあります。しかし、知名度が高い会社でなくても、実績のある「ホワイト企業」もあります。「社内の人間関係がよければ、多少残業しても構わない」「給料が安くても、残業がなければいい」など、仕事への価値観は人によって異なります。
ホワイト企業の定義は人それぞれの解釈によりますが、中小企業のなかから自分にとっての優良企業を見極め、倍率が低く採用につながりやすい会社を見つけることも上手なお仕事探しのポイントです。
■ホワイト企業のチェックポイント
□社風
□年収(モデル年収の記載がある)
□残業の有無など労働時間の管理
□離職率
□平均勤続年数
□福利厚生の内容が充実している
□完全週休2日制
□経済産業省「健康経営優良法人」などホワイト企業の認定済
□会社の規模
□会社の収入源
なかには求人票だけではわからない情報もあります。会社のホームページを調べたり、検索したり、派遣会社のコーディネーターに相談するなど、自発的に情報収集をすることもおすすめします。そうすることで就業後のギャップなどに悩むことも少なくなるはずです。
40~50代に人気&おすすめの職種
事務やテレフォンオペレーター、経理・会計・財務、販売、介護、軽作業…。派遣会社にはさまざまな職種の求人情報が集まっています。ここでは派遣スタッフの大多数を占める40代と50代が多く活躍しているお仕事を紹介します。これまでに培ってきた経験やスキルを活かして即戦力として活躍したい方はもちろん、「この年齢で仕事が見つかるかな…」と心配な方もぜひお仕事選びの参考にしてみてください。
40代に人気&おすすめの職種
・金融事務
・ITエンジニア
・テレフォンオペレーター、コールセンター
・セレモニースタッフ
・介護、福祉
40歳以上では、「子育てが落ち着いたので復職したい」「スキルを活かしたい」「ワークライフバランスを重視して働きたい」といった動機で派遣スタッフとして働くことを検討するケースが多いようです。経験者は即戦力として活躍でき、また、未経験でも派遣会社のフォロー制度でスキルを身につけたり学んだりすることもできます。
専門性の高いITエンジニアは、年齢に関わらず専門特化したスキルや流行りのスキルを保有している、またマネジメント能力など経験を備えていると重宝がられることもあります。
介護業界は人材不足が続いている状況なので求人が多い職種です。高齢者やその家族と直接接する機会も多く、その対応では人生経験が豊富な人の方が相手に安心感を与えるケースもあります。
冠婚葬祭など人生の節目に立ち会うセレモニースタッフの接客でも、これまでの人生経験が活かされることがあります。未経験からでも活躍しやすい仕事ともいえるでしょう。
50代に人気&おすすめの職種
・サービス、接客業
・清掃業
・製造、軽作業(ピッキング作業など)
・介護、福祉
50歳以上では、「ワークライフバランスを重視しながら、これまでのキャリアを活かしたい」「プライベートと両立したい」「正社員より採用されやすい」などの理由で仕事を決める方が多いようです。「派遣スタッフとして働くことが初めて」「未経験で自信がない」という場合は、まずは短期の仕事や単発の仕事から始めることもおすすめします。まずは少し派遣で働くことに慣れてから長期の仕事に就くというのも一つの方法です。不安な時や困った時は、遠慮なくコーディネーターに相談しましょう。
派遣は、年齢に関係なく誰でも登録・紹介が可能!
派遣会社に登録するにあたって年齢の壁はありません。法律上でも募集・採用において年齢制限することは禁止されています。学歴や職歴にも制限はなく、「派遣スタッフとして働きたい」という気持ちがあれば、どなたでも登録が可能です。
派遣会社のなかには、未経験の方々へのフォロー体制が整っているところも多くあります。40代は経験やスキルのある即戦力となることで仕事につながりやすい一面もありますが、40代でも全くの未経験からスタートしている方も多くいらっしゃいます。ここから新たなキャリアを築いていくこともできるので、わからないことや初めてで不安な時は担当コーディネーターに相談しましょう。
- ライター:齋藤由希
- DTP関連会社での雑誌制作・進行管理業務、アルバイト情報誌編集部での編集・執筆業務を経て、フリーランスのライター・エディターとして独立。芸能、料理、健康などさまざまなジャンルの記事や広告のコピーライティングなどに従事。ヨガ講師としても活動中。